2020 Fiscal Year Research-status Report
Clinical impact of capsaicin cough reflex sensitivity as a biomarker of severe asthma
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20K17219
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
金光 禎寛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20765268)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | カプサイシン咳感受性 / 非アレルギー性喘息 / 難治性喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
気道炎症を反映するバイオマーカーは喘息のフェノタイプを決定する重要な因子の1つであり、末梢血好酸球数、血清総IgE値、呼気一酸化窒素濃度はアレルギー性/Th2性気道炎症を反映するバイオマーカーとして抗体治療の導入や有用性の予測に利用されている一方で、難治例の非アレルギー性/非Th2性気道炎症を反映するバイオマーカーの確立が社会に残された課題である。近年、下気道のC線維の終末に主に発現するtransient receptor potential vanilloid-1(TRPV1)受容体を介した知覚神経過敏と喘息の病態の関連が報告されており、特に女性、非アレルギー性喘息患者、喘息コントロール不良患者でTRPV1受容体アゴニストであるカプサイシンに対する咳応答の亢進 (以下、カプサイシン咳感受性亢進)がみられ、応募者も長時間作用型抗コリン薬や気管支熱形成術がカプサイシン咳感受性の改善を介して難治例の喘息コントロールを改善させることを報告した。これらの既報はカプサイシン咳感受性亢進が非アレルギー性/非Th2性気道炎症や難治性喘息の病態を反映し、新たな治療標的になる可能性を示唆する。難治例の非アレルギー性/非Th2性気道炎症の病態を反映するバイオマーカーとしてカプサイシン咳感受性に着目し、本研究を通じて難治性喘息におけるカプサイシン咳感受性の意義を明確にすることを本研究の『問い』とし、併せて日常診療で利用可能なカプサイシン咳感受性を反映する血清バイオマーカー、質問票の確立をめざすことを目的で本研究を立案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応募者はカプサイシン咳感受性亢進が重症喘息患者、特に非アレルギー性性重症喘息患者の喘息コントロール不良や頻回増悪に関連することを報告した(Kanemitsu Y, et al AJRCCM 2020)。現在、ハル気道逆流質問票が喘息患者のカプサイシン咳感受性亢進を反映する質問票として利用できるかどうか、機能性消化管疾患合併重症喘息患者におけるカプサイシン咳感受性亢進の意義を検討している。気管支熱形成術を実施した患者から採取した気道上皮を用いて、気管支熱形成術前後でのTRPV1、TRPA1などの発現量の変化について現在検討中である。順調に進んでいる部分が多い一方で、新型コロナウイルス感染症の診療の影響で実施を予定していた気管支粘膜検体の免疫染色の評価やバイオマーカー測定に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
チオトロピウムや気管支熱形成術による治療介入を行った患者の咳を含めた治療効果とカプサイシン咳感受性の改善との関連を検討中である。気管支熱形成術を行った患者については気道上皮検体のRT-PCRによるTRPV1などの遺伝子発現量の変化に加え、採取した気管支粘膜組織の免疫染色による評価を予定している。また、カプサイシン咳感受性を反映する血清、喀痰バイオマーカー確立のため、硫化水素に着目し、検討を進める。
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Causes of Carryover |
現在、PCRで遺伝子発現量の変化を調べているが、新型コロナウイルス感染症の診療の影響で気管支粘膜検体の免疫染色の評価やバイオマーカー測定が思うように実施できなかったため、今年度実施する予定とする。
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Research Products
(1 results)