2020 Fiscal Year Research-status Report
レプチンに注目した肥満によるアトピー型喘息発症の免疫機序の解明
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20K17429
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
野村 孝泰 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50587334)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 肥満 / レプチン / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
A.ブタクサ花粉刺激時の活性化肺胞マクロファージからのIL-1産生に対するレプチンの効果(ex vivo) 未感作BALB/cマウスの肺胞洗浄液から肺胞マクロファージを分離した。新鮮分離肺胞マクロファージをブタクサ花粉で24時間刺激し、培養上清あるいは細胞溶解液中のIL-1αなどのサイトカインが上昇することを確認した。この実験系に、レプチン添加(50 or 500 ng/mL)の追加効果を検討することで、レプチンが肺胞マクロファージ活性化に与える影響を明らかにした。1回目の実験で、レプチン添加によるIL-1α産生亢進を認めたが、再現性を確認するための2回めの実験では、その効果を確認できなかった。 B.ブタクサ花粉による気道感作に対するレプチンの効果(in vivo)[2020年度] 未感作BALB/cマウスに1週間に2回の頻度ででブタクサ花粉を気道投与し、合計3週間の感作の後に、day 28に血液中のブタクサ特異的IgE抗体(ELISA)を評価した。引き続き28日目から、ブタクサ抗原抽出液を3日間連続投与し、最終投与の24時間後に肺胞洗浄液中の好酸球数、あるいは肺胞洗浄液中と肺のTh2サイトカイン(ELISA)を評価した。ブタクサ花粉による感作時にレプチンを併用することで、レプチンによる感作促進効果を評価したが、いずれの評価項目もレプチンによる修飾を認めなかった。 レプチンの効果を評価するための、ex vivo、in vivoの標準の実験環境は整っている。レプチン添加の条件を工夫するとともに、肥満モデルマウスでの検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
期待したレプチンの効果が、ex vivo、in vivoで示すことができていない。レプチンの保存方法、投与方法などは改良の余地が残されていると考えており、現在、実験系の改良に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
レプチンの保存方法、投与方法に改良の余地があると考え、実験系の改良に取り組んでいる。当初、レプチンの効果を明らかにした後に、より生理的な肥満マウスでの検討を行う予定であったが、肥満マウスでの検討を並行して進めていく。
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