2022 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスにおける自己反応性の獲得とS100分子の関連
Project/Area Number |
20K17440
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北郡 宏次 京都大学, 医学研究科, 助教 (20812639)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / B細胞 / S100蛋白 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、S100A8分子がB細胞における抗体産生、細胞の活性化に関連しているかを検討し、それが、自己抗体産生を特徴とし、多臓器に障害をきたす全身性エリテマトーデス(SLE)の病態形成にどのように寄与しているかを明らかにすることを目的としている。 研究への同意を得たSLE患者や健常人に加え、他の自己免疫疾患患者におけるS100A8陽性B細胞の分画も確認し、SLE (stable N=19, active N=17)のみでなく、他の自己免疫疾患(合計N=64)についても検討を行い、B細胞表面でのS100A8の増加が、疾患活動性の高いSLEに特異的な変化であることを見出した。その後、コロナ禍による症例数減少の影響も認められたが、2年半をかけて得られたデータをもとに論文を作成した。現在、Arthritis Research and therapyに投稿中であり、revise対応を行っている。revise対応の中で、健常人B細胞をSLE患者と同様の環境下(IFNa併用下)で刺激することによる、S100A8分泌試験を行った。また、近年SLE病態と関連が示唆されているdouble negative B cell(DN2B)におけるS100A8分子の発現についての解析を行った。結果としては、健常人サンプルでは、IFNaを追加した条件ではSLE患者B細胞と同様のS100A8分泌反応は得られず、S100A8がSLEのB細胞に特有の変化であることが確認された。DN2BにおけるS100A8の評価においては、他、naive B, memoryB細胞と細胞表面のS100A8発現量に変化は認められなかった。追加実験の結果を加え、revise対応として再提出をしている。
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