2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of regeneration therapy using stem cells derived from spinal cord injury
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20K17946
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
蔵本 要二 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10604275)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | injury induced stem cell / spinal cord injury / somatic stem cell |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は①重篤な脊髄損傷部位から誘導される細胞が多能性ならび幹細胞性を有することを多角的解析で証明すること、②この脊髄障誘導性神経幹細胞(spinal cord injury induced-Neural Stem/Progenitor Cells・SC-iSCs)の細胞特性の解析ならび前臨床的試験の基礎データを蓄積することである。本年度の成果は以下となる。 1.脊髄損傷誘発性幹細胞(SC-iSC)の細胞特性解析 分離培養した細胞を① RNAマイクロアレイで遺伝子発現を行った。heatmap解析や主成分解析を行うと脳由来虚血誘導性幹細胞に近いことがわかった。② 増殖能は通常の間葉系幹細胞より早く、分化培養試験では脂肪、軟骨、骨、神経細胞に分化することがわかった。③ SC-iSCは浮遊培養すると細胞塊(スフェロイド)形成し、PCRで複数の山中4因子の中で複数高発現していることが確認された。④ 分化培養試験の延長でSC-iSCがオルガノイドを作成するかを検討中。 2.損傷組織内でのSCiSCsの働きとその運命 従来の由来虚血誘導性幹細胞はnestin、血小板由来成長因子受容体b(PDGFRb)で染色可能である。今回RNAマイクロアレイで3つの高発現遺伝子が同定され、その2つは脊髄損傷組織で神経幹細胞マーカーとの共発現をしていた。今後このマーカーを用いて脊髄損傷周囲の免疫組織で検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で3つの柱として ①細胞特性解析 ②損傷組織内での働き・運命 ③臨床応用方法の検討を上げている。初年度では①細胞特性解析が免疫染色、PCR、マイクロアレイ解析でほぼ完了しており、今後②を一年または一年半かけて検討する予定である。また、細胞特性解析の結果をもとに、論文を作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はSC-iSCは分離培養せず、生体内でどのような働きや運命をたどるかを検討する。 具体的には脊髄損傷後、いくつかの時間をおいたサンプルを採取してまずは免疫組織学的な検討でSC-iSCがどのような働きや位置にいるかを検討する。組織学的な検討で、その働きに関与するタンパク質等が浮上した場合はウエスタンブロットで時間的推移を検討する。 免疫組織学的なマーカーとしては初年度において、同定された高発現マーカーならびnestin等の神経幹細胞マーカーを合わせ使用する。また、初年度の成果を現在論文としてまとめており、次年後英文雑誌の投稿し、採択を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID19蔓延に伴い、動物施設の一部閉鎖ならび外部との意見交換ならび学会参加等がなくなったため、支払い額が減少した。次年度は細胞染色から組織染色に移行するため、数多くのマウスを実験に使用する必要がある。また、次年度は初年度の成果を学会発表のみならず英文誌で発表を予定しているため、英文校正や論文投稿料ならびOpen access料が生じると考えられる。
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