2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規ARシグナル経路制御因子JMJD1Cの前立腺癌における機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
20K18102
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
福岡屋 航 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30814975)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 前立腺癌 / アンドロゲン受容体 / JMJD1C |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Jumonji-containing domain 1C (JMJD1C)遺伝子の前立腺癌の進行における役割について、アンドロゲン受容体 (AR; androgen receptor)経路との関係に加えて、特に前立腺癌の内分泌療法に伴う神経内分泌分化との関連も含めた検討を行った。前立腺癌におけるJMJD1Cの発現と前立腺癌神経内分泌分化に特徴的な遺伝子のうち、BSN、CRMP1、GPRIN1、INA、MAST1、MYT1、RAB3C、SNAP25、UNC13Aの発現との関連を評価したが統計学的に有意な相関を示す結果は得られなかった。他方、アンドロゲン除去療法感受性の前立腺癌の進行への関与が強く知られているARやそのバリアントであるAR-V7の発現と明らかな正の相関を示す結果が得られた。加えて興味深いことに、HIF1Aとの正の相関も明らかとなった。このHIF1Aの活性化はJMJD1C発現と関連し、解糖系の亢進を介して前立腺癌細胞の増殖と関係する可能性が考えられる。これらの解析結果から、JMJD1Cは前立腺癌のアンドロゲン除去療法抵抗性と関係することが知られている神経内分泌分化ではなく、特に前立腺癌細胞の増殖に関係することが知られているアンドロゲン受容体経路を介して前立腺癌の進行と関係していることが示唆された。他方で、HIF1Aを介した前立腺癌細胞増殖にも影響している可能性が考えられた。
|