2020 Fiscal Year Research-status Report
舌骨上筋群の器質的な違いが嚥下機能に与える影響~嚥下障害の新しい評価法の確立~
Project/Area Number |
20K18635
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水頭 英樹 九州大学, 大学病院, 助教 (70732915)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嚥下機能 / 舌骨上筋群 / 加齢変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
舌骨上筋群は嚥下に関わる重要な筋群であるにも関わらず、舌骨上筋群の筋量や筋質がどの程度嚥下機能に影響しているか明らかになっていない。一方で超高齢社会を迎えた我が国では9.7%が肺炎・誤嚥性肺炎により亡くなっており、高齢者の誤嚥対策は喫緊の課題である。本研究では、加齢に伴う「舌骨上筋群の器質的な違い」および「舌骨の位置」が嚥下機能に与える影響を明らかにすることを目的とする。 「舌骨上筋群の加齢変化」「舌骨の位置」と「嚥下機能」との関連性を明らかにするため①超音波検査による舌骨上筋群の加齢変化、②舌骨上筋群と舌骨位置の関連、③舌骨上筋群および舌骨の位置と嚥下機能の関連、③舌骨上筋群と口腔機能・全身機能との関連に関する実験を行う。 今まで明らかにされてこなかった、舌骨上筋群の「器質的な違い」や舌骨の位置の嚥下機能への影響が明らかになれば、超音波検査やX線検査といった歯科医院でも可能な検査によって、誤嚥ハイリスク患者の抽出によって早期の誤嚥対策が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定では、初年度に若年者に対して超音波装置を用いて舌骨上筋群の断面積・輝度と舌骨の位置との関連性を明らかにする予定であったが、コロナウイルス感染拡大の影響により被験者の確保が困難な状況にあったことに加え、研究代表者の所属機関異動により研究体制の再構築が必要であったため遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究協力者とともに大学病院の他科教員にも研究依頼し、研究を進めていく予定である。今年度は若年者に対象を絞り、舌骨上筋群(筋断面積・筋輝度)と嚥下機能(咀嚼スコア・開口力舌圧・RSST)・全身の筋(握力・体組成)との関連を明らかにする。 それらの結果を、次年次におこなう高齢者を対象とした検査と比較し、どの能力の低下や筋の変化が嚥下機能に影響しているか明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大のため被験者確保が難しく、被験者に支払う予定の謝金が支払われることなかったため繰り越している。また、実験開始が困難であったため当該年度では購入を控えたポータブル超音波機器・舌圧測定器を令和3年度に購入予定である。
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