2021 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおけるTAK1-NLRP3インフラマソーム活性系の役割の解明
Project/Area Number |
20K18784
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
天眞 寛文 徳島大学, 病院, 助教 (00829187)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / NLRP3インフラマソーム / 破骨細胞 / マクロファージ / 滑膜線維芽細胞 / TAK1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、炎症反応において重要な役割を担っているNLRP3インフラマソームが関節リウマチ(RA)の病態にどの様に関わっているのかを明らかとすること、またその活性をコントロールし得る治療法を探索することを目的とした。RAのマウスモデルであるCIAマウスの免疫組織学的解析により、滑膜に存在するマクロファージ、また骨破壊部位に存在する破骨細胞においてNLRP3インフラマソームが活性化しており、炎症性サイトカインであるIL-1βが産生されていることが明らかとなった。TAK1阻害剤であるLLZ1640-2は、マクロファージおよび破骨細胞におけるNLRP3インフラマソームの活性化を抑制した。LLZ1640-2投与によって、CIAマウスにおける炎症、骨破壊が劇的に抑制された。NLRP3インフラマソームが活性化すると、細胞からIL-1βが産生される。IL-1βは滑膜線維芽細胞に作用し、破骨細胞分化に必須のRANKLや軟骨を破壊するMMP-3、炎症を促進するIL-6など種々の炎症性サイトカイン発現を誘導することが知られている。LLZ1640-2を滑膜線維芽細胞に作用させると、TAK1を介したIL-1βのシグナル伝達が阻害されることでそれら炎症性サイトカインの発現誘導が抑制された。また、滑膜線維芽細胞と破骨前駆細胞との共培養系において、LLZ1640-2は破骨細胞分化を抑制した。 本研究により、RAではマクロファージおよび破骨細胞においてNLRP3インフラマソームが活性化していることが明らかとなった。TAK1阻害剤LLZ1640-2は、インフラマソームの活性化を直接抑制することに加え、IL-1βによる炎症性サイトカインの発現誘導を阻害することでRAにおける炎症および骨破壊を抑制し得ることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Targeting SLAMF7 to disrupt myeloma-osteoclast interaction: elotuzumab’s ADCC activity with Th1-like γδT cells towards osteoclasts and myeloma cells.2022
Author(s)
Hirofumi Tenshin, Takeshi Harada, Yusuke Inoue, Jumpei Teramachi, Masahiro Hiasa, Kotaro Tanimoto, So Shimizu, Yoshiki Higa, Emiko Nakaue, Masahiro Oura, Kimiko Sogabe, Tomoyo Hara, Ryohei Sumitani, Tomoko Maruhashi, Itsuro Endo, Toshio Matsumoto, Eiji Tanaka, Masahiro Abe
Organizer
Cancer and bone society young investigator symposium
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] The anti-SLAMF7 elotuzumab enhances ADCC activity with Th1-like γδT cells towards osteoclasts and myeloma cells.2021
Author(s)
Hirofumi Tenshin, Takeshi Harada, Yusuke Inoue, Jumpei Teramachi, Masahiro Hiasa, Asuka Oda, Kotaro Tanimoto, So Shimizu, Yoshiki Higa, Masahiro Oura, Kimiko Sogabe, Tomoyo Hara, Tomoko Maruhashi, Itsuro Endo, Toshio Matsumoto, Eiji Tanaka and Masahiro Abe
Organizer
The European Calcified Tissue Society 2021 Digital Congress
Int'l Joint Research
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[Presentation] 抗SLAMF7抗体エロツスマブはγδT細胞による破骨細胞および骨髄腫細胞へのADCC活性を増強する2021
Author(s)
天真 寛文, 原田 武志, 井上 雄介, 寺町 順平, 日浅 雅博, 谷本 幸多朗, 清水 宗, 比嘉 佳基, 大浦 雅博,曽我部 公子,中村 信元, 三木 浩和, 遠藤 逸朗, 田中 栄二, 松本 俊夫, 安倍 正博
Organizer
第39回日本骨代謝学会学術集会