2022 Fiscal Year Research-status Report
緩和ケア対象患者とその”家族ケア”に関するVRトラベルの効能解明
Project/Area Number |
20K19066
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宇井 睦人 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (70865245)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | VR / VRトラベル / 家族ケア / 緩和ケア / 緩和医療 / 医学教育 / 医療コミュニケーション教育 / 患者医師コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
医療におけるデジタルテクノロジー関連の補完代替療法についてはその研究が少なく、「仮想現実(Virtual Reality)」が臨床現場における患者・家族に及ぼす影響は不明である。そこで本研究は緩和ケア対象患者とその家族のより良い心のケアの発展を目的に「実際に旅をしているようなVR;VRトラベルが患者・家族ケアに有用である」との仮説の実証を行う。具体的には既存の映像視聴を比較対象として、VRトラベルを同時視聴した患者とその家族に対して、主観的質問紙で分析し実証する。本研究によりVRトラベルの患者と“家族ケア”の効果を証明し、臨床エビデンスにもとづいたVRなどデジタルテクノロジー技術の臨床応用への道を切り開くことが目的である。令和4年度は、パイロット研究として終末期の患者にVRを使用したが、桜並木やイルミネーションのVR動画を視聴してもらったところ良好な反応が得られており、今後の研究に期待が持てる結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年に報告したように、本研究では唾液中で喜びを反映するオキシトシン、ストレスを反映するコルチゾールを測定することにより質問紙による主観的効果だけでなくVRトラベルが患者と家族の喜びやストレスにどのような影響を与えているかを客観的に分析する予定であったが質問紙法による研究方法へと変更した。新型コロナウイルスの影響もあり、他人が使用した後のVR機器を共有することが難しいことが、研究の遅れに影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロット研究で良好な反応が得られたため、令和5年度はさらに研究を進め、データ収集・統計解析・論文作成を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在、緩和ケアの対象となるような主に終末期の患者が使用するために、重さなども含めて適切なVR機器、そのVR動画撮影のための360°カメラなどの選定を進めているところである。
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