2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代交通システム(電動カートWA-MO)を利用した救命モデルの検証
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20K19257
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
高橋 純子 北陸大学, 医療保健学部, 教授 (60636596)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 救命救急 / 高齢過疎地域 / BLS訓練 / AED / 地域連携 / のらんけバス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年290名の方に対して、輪島市の協力を得て500名を対象に一般市民が実施する救命活動に対する意識およびBLSに関する知識・技術の理解、今後実施するBLS講習会への参加の可・否、「のらんけバス」にAEDを搭載することに対する意見を質問紙調査にて実施した。290名の回収を得ることができ、そのうち15名の市民が実際に輪島市消防署でBLSの技術講習を受けて良いと回答があった。今年度の研究は、BLS講習会を実施する前・後の市民の救命活動の意識やその技術に教育効果を生み、AEDをのらんけバスに搭載した場合に傷病者の救命の可能性を探ることを目的とした。そこで、普通救命講習に参加した15名を対象に対し、講習会の受講後に2021年と同様に救命活動に対する意識およびBLSに関する知識・技術の理解を探る質問紙調査を実施した。 結果、受講者の平均年齢は65.2歳であった。「救命活動への自信・意欲」については15名中5名が向上、9名は変化なし、1名は減少した。統計分析の結果、前後で有意差を認めなかった。また、BLSの手技を7つに分け、どの行為ができるかを確認した結果、「人工呼吸」、「AEDの取り扱い」についてできると答えたものがそれぞれ2名から8名へ向上、8名から12名へ向上した。また、AEDの取り扱いにおいて、その動作を3つに分けできる動作を確認したところ、「電源をONにする」、「電極パッドを胸部へ取り付ける」、「通電ボタンを押す」の3つ動作全てに可能であると向上の結果を認め、統計分析の結果においても講習会の前後において取り扱いにおける恐怖心が減少したことを示し、有意差を認めた。 AEDが「のらんけバス」に搭載され場合人助けができるかという問いに対して、15名中4名はできると意識が向上し、変化がなかった者は、11名、意識が減少した者は0名であった。この結果から、高齢者にもBLSの訓練を実施することにより救命活動の効果があるのではないかと示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば、今年度はAEDをのらんけバスに設置し、その効果を検証するフェーズであったがコロナ禍であり、高齢者の多い輪島市内での調査協力を得るためには、コロナ感染のピークが静まる夏季の実施に絞られた。また、消防署の協力を得て、人を1箇所に集めてBLSトレーニングをほぼマンツーマンで実施するには、場所や時間、タイミングも限られたものであり、多くの対象者に協力を得ることが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2フェーズ目で得られた「のらんけバス」へのAEDの搭載について市民より得られた調査結果、意見に基づいて、今年度は研究の最終年度として実装させた結果をまとめていきたい。5月連休明け以降、コロナ感染の扱いも2類から5類へ変更されたことから、昨年度よりはスピードを上げて活動できると考える。 特に、メーカーおよび輪島市、輪島市消防署、大学との連携において、実装の計画および方法について早期に打ち合わせを行う必要がある。市の運営するバスに搭載するには、その取り付け位置や管理の方法、実際に傷病者が出現した場合は誰がAEDを扱うのか、車内に限らずバスの運行ルート上で傷病者が発生した場合のバスの停め方、AEDの管理の方法など一定のルールを決めていく必要がある。その上で、秋頃には市民の協力を得ながら想定訓練を行い、市民にどのように活用されるのかを検証していく。
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Causes of Carryover |
本来であれば、今年度はAEDをのらんけバスに設置し、その効果を検証するフェーズであったがコロナ禍であり、高齢者の多い輪島市内での調査協力を得るためには、実装が困難であった。次年度は、コロナ感染の地理扱いも5類へ以降したことにより、メーカー、輪島市、消防署と連携を図ることも速やかに実施する。予算については、AEDと管理システムの購入より現在確保している予算額も予定通りに執行可能となる。
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