2020 Fiscal Year Research-status Report
Weighted Blanketによる圧刺激が身体に及ぼす影響
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20K19339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 美緒 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (70756543)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 福祉用具 / 開発 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
Weighted Blanket (以下,WB)は、寝具の中におもりを入れて身体に圧刺激を与える掛け布団である。これまでに発達障害者や精神障害者、認知症者による実証が行われており、不安感の減少や睡眠時間の増加、日中の活動性の向上などの効果が明らかにされている。一方で、身体的な効果については、臨床観察にてその効果が推測されるものの、学術的な報告は見当たらない。そこで本研究では、WBによる圧刺激が筋緊張を緩和するといった身体に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 昨年度は、研究実施体制の整備並びに実験プロトコルを決定してプレスタディとして2名の者への5週間の介入実験を行い、実験の実行可能性を確認した。2021年度1月より健常者評価を実施する予定であったが、コロナウイルス感染拡大によって、学内での実験等の実施が難しくなりデータ取得ができなかった。 ウェイテッドブランケットの周知並びに研究成果報告を目的として、ウェイテッドブランケットのホームページを作成した。https://sites.google.com/view/team-hug/home 今後も研究成果などを順次公開していく予定である。 WBに関する文献調査においては、WBに関連する39文献を抽出し、臨床場面でのWB導入の歴史や,WBの効果の理論となるDeep pressure stimulation の実践とその検証、身体に圧を加えることによる効果などを調査した。この結果、加圧が身体に及ぼす影響についての基礎的な研究報告は乏しく、WBに関する研究は実践報告によって効果が実証されていくていることが分かった。近年のWBの実験報告では、RCTによる精神病者120名に対する効果を検証した報告において、睡眠状況の改善が報告されていた(2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染拡大によって、病院や施設での実験実施の制限があり、実験期間や対象者を制限して実験を行うこととなった。そのため対象者を広く公募できず、2症例のみのデータ取得となった。今年度も引き続き緊急事態宣言や蔓延措置防止政策等で施設での実験が制限されるが、施設の職員と協業してできる限りデータを取得していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は感染予防に配慮しながら健常者データの取得を行っていく。また、筋緊張の亢進している者においても、臨床勤務の研究者と協力して、可能な範囲でデータ取得を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
昨年度は、コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言等で、学内及び施設・病院での実験が進まなかった。そのため、今年度に実験遂行のための資金を繰り越しした。
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Research Products
(5 results)