2023 Fiscal Year Annual Research Report
鍼灸針を用いた理学的介入が破骨細胞分化の抑制機序に及ぼす影響の組織学的解析
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20K19654
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
中井 真悟 常葉大学, 健康プロデュース学部, 講師 (10825540)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | bone structure / hindlimb immobilization / electrical acupuncture |
Outline of Annual Research Achievements |
7週齢のウィスター系雄性ラット40匹を、尾部懸垂-不動群(HI)、HI-鍼通電刺激群(HI-EA)、尾部懸垂-可動群(HM)、HM-鍼通電刺激群(HM-EA)、それらに対する対照群(CO)の5群に分類し、2週間の実験を行った。HMおよびHM-EAは、後肢に加重が掛からないようにするため、ラットの尾部を約50cmの高さの天井から2週間懸垂した。さらに、HIおよびHI-EAにはジャケット型不動装置を用いて、股関節および膝関節を伸展位に固定し、股関節の内転および外転を制限した。CO以外は尾部懸垂を行い、加重低減を施した。尾部懸垂を施した群の皮質骨は菲薄化し、骨幹中央部の外面に著明であり、特に鍼通電刺激を施していないHIとHMで顕著であった。対照群の骨内膜面側に小さな血管腔を認めたが、全体的に緻密であった。それに対し、HIとHMは全体的に疎となっており、骨内膜面側に大きな骨髄腔を認めた。その様子は鍼通電刺激を施したHI-EAとHM-EAで抑制されていた。CO、HI-EA、HM-EAの筋付着部は発達していたが、HIとHMではみられなかった。このことは、鍼通電刺激による筋の張力が関わることを示唆している。破骨細胞の骨吸収能を観察するためにTRAP染色を施した。骨幹中央部と遠位部の前面が染色され、骨の表面には大小の吸収窩や破骨細胞を認めた。この様子はいずれの群も中央部より遠位部にTRAP陽性細胞がみられた。群間で比較すると、HIとHMはCOに比べてTRAP陽性細胞が多く存在していた。一方、鍼通電刺激を施したHI-EAとHM-EAでは抑制されていた。このことは鍼通電刺激によって破骨細胞の活性を抑制したことを示している。さらに、前年度に得られた標本を用いて組織学的解析を行ったが、破骨細胞の分化とGDF-8を直接的に関連づけた結果は得られなかった。
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Research Products
(1 results)