2020 Fiscal Year Research-status Report
データ駆動型社会に向けた大容量高速メモリキューブ・ネットワークの研究
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20K19770
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安戸 僚汰 広島大学, 情報科学部, 特任助教 (00846941)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メモリネットワーク / メモリキューブ / 相互結合網 |
Outline of Annual Research Achievements |
データ駆動型社会に向けたメモリキューブネットワークのモデリングを行った。メモリキューブネットワークは,ルーティング機能を持つ三次元積層されたメモリキューブ(Hybrid Memory Cubeなどを想定)とホストプロセッサ(以下,ホストと呼ぶ)から成るネットワークであり,それぞれを表す二種類のノードを持つ無向グラフとして表現することができる。このグラフをホスト-メモリグラフと呼ぶ。このグラフは二種類のノードがある点で,相互結合網のモデルとして提唱したホスト-スイッチグラフに近いグラフといえる。しかし,ホスト-スイッチグラフにおいてホストの次数が1でスイッチの次数が大きいのと対照的に,ホスト-メモリグラフではホストの次数とスイッチの次数がともに2以上かつ同程度であるところに特徴がある。また,メモリキューブにはデータが格納されているため,所有者という概念を導入し,メモリキューブはいずれかのホストに属する。ホストから見て,そのホストに属するメモリキューブをローカルメモリ,別のホストに属するメモリキューブをリモートメモリと呼ぶ。ホストからローカルメモリへのアクセスとリモートメモリへのアクセスは区別される。ローカルメモリへのアクセスは直接ホストとメモリでトラフィックが生じるが,リモートメモリへのアクセスでは,そのメモリキューブの所有ホストへのトラフィックも発生することで,一般にトラフィック量は大きく遅延が増える傾向にある。これらの特徴から,単純なグラフの直径や平均経路長などの議論ではメモリキューブネットワークの設計手法の提案は困難であるため,重み付き平均経路長を導入した。これまでの計算機シミュレーションによって多くのアプリケーションでリモートメモリへのアクセスが大部分を占めていることを明らかにし,リモートメモリへのアクセス遅延を減らすようなネットワークを考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホスト-メモリグラフの定義およびトポロジの考案,グラフの評価を中心に行い,おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
提案するメモリキューブネットワークトポロジを,計算機シミュレーションを用いて詳細な実験・分析を行う。さらに,キャッシュコヒーレンスプロトコルを考慮し,ディレクトリ配置方法を追究する。通常,メモリの管理はCPUごとに行われるが,管理の単位を変更することを予定している。提案するトポロジは分散型(disaggregated)であり,非連結のネットワークに分割されている。この分割されたネットワーク単位でメモリを管理することが一つのアイデアである。実際のアプリケーションを動かすことで実証的な研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による状況の変化により,予定していた研究会への出席や国際会議への参加がなくなり,主に理論的な研究に終始した。次年度は状況に応じて研究会や国際会議に参加し成果を発表すると共に計算機を使った実験を行う。
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Research Products
(1 results)