2022 Fiscal Year Annual Research Report
単純再帰型ニューラルネットワーク向け光コンピューティングシステム基盤の研究
Project/Area Number |
20K19771
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川上 哲志 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (20845523)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 光コンピューティング / 計算機システムアーキテクチャ / 再帰型ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,記憶機能を有する単純再帰型ニューラルネットワーク向け光演算回路を基本とした高性能・低電力な光計算機システムを確立することを目的としている. 2022年度は,前年度に構築した単純再帰型ニューラルネットワーク向けの光演算回路の精度評価と性能(レイテンシ)評価と消費エネルギー評価を実施した. 精度評価に関しては,前年度の評価によって再帰計算を繰り返すことにより演算誤差が蓄積し演算精度が悪化する事が判明した. 一方で,8bitのシリアル加算器を学習したRNN実アプリケーションによる評価では,演算誤差が蓄積し演算精度が悪化する現象が見られなかった. 本原因をアプリケーション特有の問題か否かを判別すべく,8bitを32bitに増加したアプリ,ならびに,Sin波予測アプリで精度評価を実施した. その結果,どちらに置いても精度悪化は見られず,本提案回路では学習処理において精度劣化を緩和するような最適化ができていることがわかった. また,性能・エネルギー評価においては本提案回路のモデルを作成した.性能・エネルギーモデルにより,google TPU等の電気アクセラレーターや従来の再帰経路を持たない光回路とのRNNアプリケーション実行におけるレイテンシー・消費エネルギーを比較した.評価の結果,提案回路はそれぞれ467倍・7.3倍の性能改善,93%・58%の省エネルギー化が達成できることが判明した.したがって,本提案回路は性能・消費エネルギー面で従来回路に対する優位性があるとともに,精度劣化の問題も発生しないことを国際会議において発表した.
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Research Products
(11 results)