2020 Fiscal Year Research-status Report
多民族社会台湾における国民意識形成と統合のプロセス
Project/Area Number |
20K20063
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 志保 九州大学, 人間環境学研究院, 学術研究員 (30762223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 台湾 / ナショナルアイデンティティ / 国民意識 / 総統選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は紙媒体資料の収集と2000年以降に関しては各政党のSNS公式アカウントも合わせて分析すること、また各政党関係者への聞き取りをメインとして調査分析を行うもので、一年目の実施概要は以下の通りである。
この研究の年度スタートは、2020年4月からであったが、2020年1月に台湾では七回目の総統選挙が行われ、まずは現地調査として2020年1月に10日間台湾に滞在し、総統選の候補者の選挙直前に行われる大規模な集会、そして日本でいう衆議院選挙に相当する立法委員の各候補者の応援演説などの観察をおこなった。また、集会や応援演説の観察以外の時間としては、現地で同じく総統選挙の現地調査を行っている研究者(日本、台湾、ヨーロッパ、北米など)との意見交換、台湾大学図書館、国立国家図書館などでの資料収集をおこなっていた。その後も各政党関係者への聞き取りなどを行うべく台湾に数回滞在予定であったが、研究者本人が2月と7月に入院を余儀なくされたこと、また、COVID-19感染拡大の影響で計画中止をよぎなくされ当初の研究スケジュールをかなり変更せざるを得なくなった。今後は、海外渡航が不可能な場合は、引き続き、日本で手に入れることのできる文献と各政党のSNS分析を重点的に行い、海外渡航が可能になった時点で台湾での現地調査を行い、2020年に予定していた研究の遅れを取り戻したいと考えている。
また、2020年は、上記に述べた研究者個人の入院とCOVID-19感染拡大、二つの理由により研究成果の発信は限られてしまった。特にアメリカの学会誌に一つ寄稿、そしてイギリスで出版される書籍の1章を担当する予定となっていたが、病状が不安定で病院からも働き方に留意をするように言われていたため、二つとも最終的にお断りをさせていただいた。2021年はだいぶ体調が元の状態に戻ってきているため、研究成果の発信につとめたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者本人が大病を患い2月と7月に入院を余儀なくされたこと、また、COVID-19感染拡大の影響で現地調査の中止をよぎなくされ当初の研究スケジュールをかなり変更せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の進捗状況をふまえ、引き続き海外調査の実施可能性を模索しつつ、既に入手したデータの分析を進めるとともに、SNS上の調査や、現地の研究者とのオンラインでのミーティング等を行い、当初研究計画の遂行の遅れを少しでも進める予定である。
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Causes of Carryover |
研究実施状況報告書の「現在までの進捗状況」で述べた通り、予定していたすべての海外調査が、COVID-19の影響で実施できなかったため。今後は、海外渡航が不可能な場合は、引き続き、日本で手に入れることのできる文献と各政党のSNS分析を重点的に行い、海外渡航が可能になった時点で台湾での現地調査と資料収集を行いたいと考えている。
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[Presentation] 「政治家の言葉を“翻訳”する」2020
Author(s)
前原志保
Organizer
九州大學與台灣大學第二次線上雙邊會議(The 2nd KYUSHU-NTU colloquium)、臺日文學・語言・翻譯研究工作坊(Taiwanese and Japanese Literature, Languages, and Translation Studies Workshop)
Int'l Joint Research / Invited