2021 Fiscal Year Research-status Report
多民族社会台湾における国民意識形成と統合のプロセス
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20K20063
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 志保 九州大学, 人間環境学研究院, 学術研究員 (30762223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 台湾 / 多民族社会 / ナショナルアイデンティティ / 国民意識 / 総統選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本国内、そして台湾現地での紙媒体資料の収集と2000年以降に関しては各政党のSNS公式アカウントも合わせて分析すること、また台湾の二大政党をはじめとした各政党関係者への聞き取りをメインとして調査分析を行うものであるが、2021年もCOVID-19の影響により現地調査を行うことが叶わなかった。ただ、日本国内でできることとして、オンラインで可能な範囲の資料調査や、本研究に関連する公開シンポジウム「台湾事情:多角的に見る台湾アイデンティティ」(2022年1月22日、23日、29日、30日)やイベント「映画を通して見る東アジア2」(2022年3月4日、11日、18日)を企画運営し、ZOOM上での研究者同士の交流や意見交換を行うことに努めた。また、2021年5月に行われた日本台湾学会第23回学術大会公開シンポジウムとアメリカ、ウィスコンシンで行われたPeace and Justice Studies Associationの学術大会においてオンラインで発表をおこない、比較的感染が落ち着いていた2021年12月に行われた日本台湾学会関西部会研究大会では、対面での発表をおこなうことができた。本研究は現在2年目が終了したところではあるが、2020年度、2021年度ともにCOVID-19の感染拡大の影響から、ここ2年台湾政府が短期滞在の研究者に向けた滞在許可を出していない上に、日本国内でも感染状況が厳しい首都圏や関西への出張許可も出ず、なかなか思うような調査がおこなえていないのが現状であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は2年目を終了したが、2021年度もCOVID-19の感染拡大の影響から一度も台湾に滞在することは叶わず、引き続き研究スケジュールの変更を余儀なくされている。本来は、台湾大学図書館、国立国家図書館、中央研究院、国史館などで資料収集をおこなうとともに、国民党、民進党をはじめとした各政党関係者への聞き取りなどを行う予定であったが、ここ2年台湾政府は短期滞在の研究者に向けた滞在許可が出ていないため、現地調査ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き海外渡航が不可能な場合は、日本で手に入れることのできる文献と各政党のSNS分析を重点的に行うが、地域研究者にとって現地での資料収集と聞き取り調査は研究の命綱であり、それができない限り本来予測していた程度の研究成果を出すことが難しいと考えている。ただ今は台湾政府からの許可が出次第、いつでも渡航できるように日本で調査前の準備や様々な手順確認を万全にしておくつもりである。
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Causes of Carryover |
COVIDー19の影響により、台湾への現地調査ができなかったため。2022年度は現地調査をおこなう予定である。
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