2021 Fiscal Year Research-status Report
中国のパブリック・ディプロマシーにおける準政府アクターの動員
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20K20068
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Research Institution | Osaka University of Economics and Law |
Principal Investigator |
張 雪斌 大阪経済法科大学, 国際学部, 准教授 (10781536)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パブリック・ディプロマシー / 広報文化外交 / ソーシャルメディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中国政府、とりわけ外交部関係者によるツイッターでの宣伝広報に注目し、日本国際政治学会「中国の対外宣伝広報におけるソーシャルメディア」と題する発表を行い、現在論文の執筆をしている。発表と論文の概要は以下の通りである。 中国ではインターネット利用者やソーシャル・メディアユーザーが年々増加しており、ネット世論は中国政府にとって無視できない存在となっているが、世界各国で一般的に使われているフェイスブックやツイッターへの接続は遮断されている。しかし、近年では、CGTV、新華社通信などの国営メディアが積極的にソーシャル・メディアを活用しているだけでなく、中国の外交部報道官や中外使節たちもフェイスブックやツイッターを利用して、国際世論に対して直接宣伝広報を行うようになった。 米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大を背景に、ツイッターによる発信は中国にとって主体的に宣伝広報を行い、西側諸国への反論や批判をより自由に行うチャンネルとなった。 本研究の分析からわかるように、中国の外交官たちはツイッターやフェイスブックのようなソーシャル・メディアを通じて、自らの意見や見解をリアルタイムで発信するようになっただけでなく、互いの発言を引用し、国営メディアによる宣伝広報をリツイートするなどの方法で中国の「声」を拡大させた。そして、外交官たちは中国にとって望ましいような、ジャーナリストや有識者の発言、インターネット上の言説をリツイートすることで、他人の言葉で西側諸国に反論したり、攻撃したりしている。さらに、外交官たちは国内外にいる中国人に対しても祖国の利益と尊厳を守っている自分たちの姿と努力をアピールしている。各種世論調査の結果からわかるように、中国の外交官たちの努力によって国際社会、とりわけ西側諸国の対中世論が改善したとは言い難い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度では、新型コロナウィルスによる影響を受け、本研究は中国現地における調査を断念した。2022年5月現在、計画通りに中国での調査を実施するには大きな困難が伴うと予想される。 本研究は中国外交官によるソーシャルメディアでの宣伝広報を分析し、中国政府による国内外世論への新たな宣伝方法について調査を行い、一定の成果を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は引き続き中国政府関係者によるソーシャルメディアでの宣伝広報を調査しつつ、宣伝広報外交に参加、関与している準政府アクターについても文献資料、オンライン資料を用いて調査を進める予定である。
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Causes of Carryover |
現地調査を実施できなかったため、旅費、謝礼金の一部は2022年度以降使用する予定である
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Research Products
(1 results)