2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative overview of mechanisms of social dynamics using multimodal physiological data
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20K20119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松前 あかね 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (50707859)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 相互主観性 / 創造性 / 共創造性 / 社会的関係性 / 社会的認知 / 生理指標 / 概念生成 / ソーシャルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではソーシャルデザインの要素としての社会的関係性,換言するならば相互主観性(intersubjectivity)の形成・展開過程の定量的評価を通じた関係性の動的メカニズムの捕捉に取り組む.具体的には,①協働プロセス類型の構造的把握および協働主体に着目した「共創」概念の緻密化,②表情筋筋電図をはじめとするマルチモーダルな生理データによる相互主観性の形成・展開過程の定量的評価,③相互主観性の動的メカニズムの捕捉およびモデリング,④ソーシャルデザインとして社会的関係性の動的デザインへの適用および検証を行なう. 今年度は当初計画に従い上記①を中心に進め,②③に向けた準備を進めた.①については「共創」概念を知識科学の観点から定義した上で,通常外形的把握が困難な社会的関係性の主観面について知識構造(KSS: Knowledge Sharing Structure)による外形的把握を考案し,計116名を対象に調査を行い,KSSによる社会的関係性主観面の把握の妥当性を検証した.この研究成果については学会発表のみならず,ソーシャルイノベーションに関わる複数の国際シンポジウムでの招待講演や,自治体事業の一環としてのデザイン実践支援および人材育成への展開を通じて社会還元を行なった. 併行して次年度に計画している②に向けて所属機関における実験倫理審査委員会による承認を得て,システム更新や実験機器調達,RAの研修など準備を進めると同時に,既存データ及び予備実験データを用いて評価方法を検討し論文にまとめ国際会議で報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は多人数間における社会的関係性を生理指標により捉える実験の実施が不可欠なところ,新型コロナウイルス感染症により,多人数での対面活動の制限や,実験機器の欠品の長期化による調達の遅れが生じ,実験準備スケジュールについて一部変更を余儀なくされた.他方で,当初次年度以降に予定していたモデリング方法の開発については,前倒しで着手したため当初計画より進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は当初計画に従い本実験を予定している.新型コロナウイルス感染症の影響は不可避と考えるが,既存データや今年度実施した予備実験により得られたデータを用いて解析方法やモデリング方法の開発などデータ分析の準備を引き続き先に進め,時機を捉え本実験を実施する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により,多人数での対面活動の制限や,実験機器の欠品の長期化による調達の遅れが生じ,さらに国際会議のオンライン化や国内出張の制限も重なり,今年度使用計画の大幅な変更を余儀なくされた. 次年度も研究活動への新型コロナウイルス感染症の影響は不可避と考えるが,既存データや今年度予備実験により得られたデータを用いてモデリング方法の開発などデータ分析の準備を先に進めつつ,本実験のタイミングと実験内容のバランスを見極める.また移動の制限が緩和され次第復帰できるよう引き続き国際会議投稿や企画プロポーサルは遅滞なく進めておく.
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Research Products
(26 results)