2022 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of personality traits in domestic animals: based on tameness in cats
| Project/Area Number |
20K20159
|
|---|
| Research Institution | Anicom Specialty Medical Institute Inc |
|---|
Principal Investigator |
荒堀 みのり アニコム先進医療研究所株式会社(研究開発課), 研究開発課, 研究員 (40846292)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | ネコ / GWAS / 環境要因 / 性格特性 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、雑種ネコの性格特性がどのような進化を遂げたのかについて、遺伝子と行動(性格)から解明することを目的とした。性格特性にかかわる遺伝子を探索するため、研究期間全体を通して雑種ネコ(日本猫)の飼い主からネコのDNAサンプルと質問紙を収集し、これまでに1058個体のDNAを得た。ion S5シーケンサーを用いたddRAD-seqを安価に実施できることがわかったため、その実験系の確立と多サンプルでのジェノタイピング、およびカスタムスクリプトによるPCR重複の修正を遂行した。この結果、約500個体でおよそ140,000～SNPsを得ることができた。性格特性との関連分析では、いくつかの候補遺伝子が得られた。これらの候補遺伝子を今後、より多くのネコおよび他のネコ科動物のゲノム等で探索する予定である。
遺伝要因だけでなく環境要因にも着目し、飼い主によって自由記述で書いてもらった成育歴を分類し、現在飼育しているネコが示す性格の要因になったと考えられる項目を調べた。その結果、現時点では、拾われた月齢が高く、兄弟がいなかった場合攻撃的な傾向にあることがわかった。これらの結果を日本動物心理学会の公開シンポジウムにおいて発表した。
ネコからヒトに対する社会的行動もネコ特有の性格特性を形成するものであると考え、ネコがイヌと同様にヒトから社会的学習を行うかを調べるため、ネコに対する認知実験を実施した。3つ実験から、ネコはヒトから学習しないという結果が得られ、原著論文としてまとめた。
|
