2022 Fiscal Year Research-status Report
両手MRI像を用いた関節リウマチ診断のためのコンピュータ支援診断システムの開発
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20K20231
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
中村 舞 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (50805504)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンピュータ支援診断 / 関節リウマチ / MRI / Deep Learning / CNN |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性の病気とされていた関節リウマチ(RA)は、画像診断機器の発展や薬剤の進歩により、早期診断で早期治療ができれば寛解へ導くことが可能となりつつある。そのためRAを早期診断するために画像診断の重要性が高まり、従来の単純X線検査のみでなく、MRI検査、超音波検査が活用されている。MRI検査は早期RAの画像所見である炎症性変化を描出することに有用であるが、画像読影は非常に煩雑な作業であり、診断結果は主に主観的で読影医の経験や個人に左右される。そこで本研究では両手MR画像から関節リウマチ病変を早期発見するCNNの構築を試みた。RAの診断のためにMRI検査を受けた患者100名の両手MR画像を対象とした。取得したMR画像はT1強調画像(T1W)および脂肪抑制T2強調画像(T2W)であった。 まず、RA病変が指骨や手根骨周辺に発生することに着目し、T1W画像からU-netを用いて骨の抽出を行った。T1W画像上の骨の部分を手動でマークし、各スライスに対してラベル画像を作成した。次に、オリジナルのT1W画像とラベル画像を256×256のマトリックスサイズに切り出し、U-netによる手指骨領域の自動抽出を行った。U-net出力画像とラベル画像の平均Dice係数は0.87であった。 T2W画像と第1のU-netで生成された骨領域画像との論理和を取得して、T2W画像中の骨領域を抽出した。骨領域抽出後のT2W画像上の病変を手動でマークし、病変ラベル画像を作成した。第1のU-netと同様に、骨抽出されたT2W画像とRA病変ラベル画像を用いて第2のU-netによるRA病変検出を行った。U-net出力画像と病変ラベル画像の平均Dice係数は0.85であった。スライスベースで算出した感度は88.4%、特異度は86.0%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究成果によって得られた画像を用いて、T2強調画像上で骨領域領域を抽出できた。骨領域抽出後のT2強調画像と病変ラベル画像をU-netへ入力し、関節リウマチ病変の検出を行うことができた。よって、計画通りにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
関節リウマチ病変検出の精度向上を目指す。
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Causes of Carryover |
国際学会出張旅費と論文執筆費
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