2020 Fiscal Year Research-status Report
先端技術による未発見遺跡の探査・研究および保護手法の開発
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20K20276
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
金田 明大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (20290934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 泰輔 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 主任研究員 (00741109)
小林 青樹 奈良大学, 文学部, 教授 (30284053)
山口 欧志 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50508364)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | LiDAR / 地中レーダー / 地理情報システム / 地形解析 / SLAM |
Outline of Annual Research Achievements |
一昨年度より解析をおこなっている春日山・三笠山周辺のLiDARデータについて基礎的な整理をおこない、高い樹木を除去した状態での地表標高モデル(DEM)を作成した。また、前年度に取得したUAV(空中ドローン)を用いた高密度なLiDARデータについても同様の作業を進め、地形情報の整備を目指しているが、COVID-19の影響により研究担当者および補助者の自宅待機などの影響を受けて予定よりも遅れている状況である。 また、DEMとして得られた地形の特徴量を抽出する複数の方法を検討し、これらの適用を試験的に試みた。傾斜量や開度などの情報の重合により人工的な改変や災害による地形変化を生じた部分の可視化や明瞭化を検討しているが、複数の情報を重合させることによってよりこれらの様子を明確にすることが可能と考え、その効果的な組み合わせを含めた検討を進めている。 また、現地の踏査を実施し、地形の改変や古墳・窯の分布などについて現地における検討をおこなった。当初予定していた十分な踏査は困難であるが、抽出が可能な部分は勿論のこと、それが十分に表現できていない箇所についてその原因を検討している。 実際には踏査を基にした遺跡探査を計画していたが、今年度はできなかった。反面、廉価型RTK-GPSによる高精度位置決定とその補助による探査の高速の試験をおこない、より迅速な計測を可能とする研究を進めた。 昨年度より開始した春日大社所蔵の考古資料については三次元計測、観察、写真撮影、実測図の作成といった基礎的な資料調査を完了し、返却できた。今後、これらの資料の検討を所蔵者および関連する研究者を含めて実施し、位置づけをおこなっていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19による計画の変更や機関による職場への出勤の停止などがあり、リモートワーク機材の確保や点群処理を十分に可能とする高性能なコンピューターの確保が難しい状況にあった。また、複数人による外部での大規模な活動が困難な状況でもあり、またこの状況の対応や活動の制限によって本来予定していた作業が出来ていない部分がある
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19による複数人による外部での大規模な活動が困難な状況でもあり、またこの状況の対応や活動の制限によって本来予定していた作業が出来ていない部分があるため、この完成をまずは目標に研究を進め、実際の踏査などを簡略した形で実施することで研究目的を達成することを目標としたい。本研究で得られた地形情報などの基礎データは今後の遺跡研究にも活用が可能なことから、取得したデータについて公開が可能なところは公開して多様な研究の基盤としたい。
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Causes of Carryover |
予定していた旅費・人件費を十分に利用できず、代わりに機器を導入して効率化をはかったが、人件費の一部を次年度に持ち越した。体制を変更し、人員を配置して遅延している研究を補いたい。
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