2017 Fiscal Year Annual Research Report
文化-ジーン共進化説のミクロ的確認とネットワーク社会学的展開
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17H06193
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
桜井 芳生 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (50264396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 学 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10273062)
尾上 正人 奈良大学, 社会学部, 教授 (90299248)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子 / 一塩基多型 / セロトニン / オキシトシン / SNP / 社会学 / 社会科学 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究として、Chiao et al. を参考にセロトニントランスポーター関与遺伝子多型5-HTTLPRを、ニシナやヤマギシら(Nishina et al.)を参考に、オキシトシン受容体関与遺伝子の一塩基多型の一つrs53576のタイプの解析を、まずは目指した。 匿名の調査協力者さんたちにホールネットワークアンケート(スマホアンケート)の回答と唾液による遺伝子試料の提供をいただいた。唾液採集にはOragene・DNA採取キットを使用した (実験計画は大学倫理審査委員会の審査済み)。PCRを行った。セロトニン…の場合、常套的に使用されるアガロースゲル電気泳動では染色や泳動状態等で結果がばらついて目視を誤る可能性があり、約20ベースペアの差を見分けるのは可能とはいえ容易とはいえなかった。他方、オキシトシン…であるが、TaqMan SNP Genotyping Assaysの試薬を使用して、リアルタイムPCR装置(StepOnePlus)で解析を行った。明瞭に一塩基多型(SNP)のタイプ判定ができた。 以上から,セロトニントランスポーター関与遺伝子の多型解析と、オキシトシン受容体関与遺伝子の多型解析に成功したと考える。ただし、後者は、「一塩基多型」であったこともあり、比較的簡明であり結果も明瞭であった。しかし、前者は、非=一塩基多型、いわばリピート型の多型であったこともあり、経過と結果は必ずしも簡明とはいえなかった。社会(科)学において、セロトニントランスポーター関与遺伝子の多型というとChiaoをはじめとして、S型かL型かで事足りとしてしまう傾向があるが、実態=事態は、もっと複雑であるといわざるを得ない。非=一塩基多型の解析結果について、過度に単純化した結果が流通する危険に警鐘を鳴らしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画どおり、パイロットリサーチを完遂した。その結果解析も順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、大規模のサンプルで、遺伝子試料採集とその解析、ホールネットワーク調査によるデータ収集、両者の同時計測を行う。
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Research Products
(1 results)