2020 Fiscal Year Research-status Report
微小重力から過重力条件における多孔質体中の水分移動に対する統一理論の構築
Project/Area Number |
20K20300
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 専任教授 (60311544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 勝 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00181917)
加藤 雅彦 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00578312)
小島 悠揮 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70767475)
森 也寸志 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80252899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 可変重力 / 過重重力 / 滞在時間 / 落下塔 / 遠心器 / 火星重力 / 月重力 |
Outline of Annual Research Achievements |
2m高さの落下塔施設を使って可変重力発生装置の開発を行い、月重力(1/6G)、火星重力(1/3G)、微小重力(μG)に対してそれぞれ0.57s、0.67s、0.51sの創出に成功した。内径0.8mmと2.3mmの毛管中の水分の移動速度は、どちらの内径においても重力が大きくなるにしたがって低下した。2m落下塔では微小重力時間が0.51sしか連続しないので、微小重力期間だけバルブを解放する実験装置を作成し、繰り返し落下によって長時間の水分浸潤実験の可能性を評価した。粒径04mmガラスビーズを均一に充填したカラムを2m落下塔から自由落下させて水分浸潤実験を行った。繰り返し落下の衝撃によってカラム内ビーズの配列が変化したり、衝撃による浸潤が発生したが、合計2秒程度の短時間であれば、パラボリックフライトによる同様の実験結果と良く一致した。 過重重力(30.7G)を高速遠心器を使って創出し、0.05mmガラスビーズを充填した内径6mmカラムを遠心半径沿いに197mm設置した。カラムの1端から水を浸潤させて浸潤距離をビデオカメラを使って決定した。同じ実験装置を使って1G条件下での水分浸潤距離を測定した。過重重力条件下では6mmの遠心半径の違いから外側の方が水分浸潤距離が大きくなったかが、平均浸潤距離を1G条件下での実験結果と比較すると、ほぼ同じ浸潤速度と浸潤距離が得られた。このことから、過重重力条件での水分浸潤には、1Gで使っている理論をそのまま適用可能であることがわかった。 微小重力条件下において0.8mm径ガラスビーズに浸潤する水分移動をミリメータースケールで解析した。ガラスビースによって作られた間隙中を移動する水の位置を960fps動画の1フレームごとに抽出し、浸潤速度と滞在時間を決定した。拡大部から狭小部へ向かう途中と狭小部から拡大部へ向かう時に水の滞在時間が長くなることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルスの影響で50m落下塔を使った実験はできなかったが、保有している2m落下塔と遠心器を使って可変重力と過重力条件下の実験を進めることができた。さらに、これまでに行った実験データの解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので、論文投稿に向けてデータ解析と原稿作成を行なう。
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Causes of Carryover |
計画していた放物線飛行実験用の航空機が運航会社の都合によって利用できなくなったので、次年度の繰り越しました。運行を再開した際の使用額が値上がりしたので、結果的には航空機を利用した実験は中止しました。
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Research Products
(3 results)