2021 Fiscal Year Annual Research Report
微小重力から過重力条件における多孔質体中の水分移動に対する統一理論の構築
Project/Area Number |
20K20300
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 専任教授 (60311544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 勝 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00181917)
加藤 雅彦 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00578312)
小島 悠揮 岐阜大学, 工学部, 准教授 (70767475)
森 也寸志 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80252899)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 微小重力 / 乾燥嵩密度 / 粘度 / 振動式粘度計 / 圧損式粘度計 / 水分拡散係数 / シクロヘキサン / 水 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道赤平市にある落下塔実験施設(コスモトーレ)を使って2021年10月に2週間微笑重力実験を実施した。乾燥嵩密度の異なるガラスビーズ多孔質体中への水分浸潤、液体粘度の重力依存性、および5kPa正圧勾配条件下のブルース・クルート法を使って水分拡散係数を調査した。乾燥嵩密度が小さい多孔質体では、微小重力になるとガラスビーズが移動することが観察されたので、間隙が大きくなることで水分移動に影響を与えたと考えられる。密に充填した場合、微小重力によるガラスビーズの移動は見られなかった。間隙中の水分移動を高速度カメラで撮影して解析したところ、微小重力下と1G重力下での水分浸潤速度に有意な差は見られなかった。どちらの重力下でも、間隙中の水が最大25間隙隣の水を利用して間隙中の空洞を水で満たして浸潤することがわかった。水とほぼ同じ粘度を有する無極性のシクロヘキサンと極性を有する水の粘度を振動式粘度計と圧損式粘度計で測定した。振動式粘度計では両方の液体とも微小重力になると粘度が増加したが、圧損式粘度計では両方の液体とも重力による粘度の変化は観測されなかった。したがって、振動式粘度計の測定原理に重力依存項が存在することが見かけの粘度に重力依存性があるように見せたと考えられる。正圧勾配下における水分拡散係数は、体積含水率の全範囲において微小重力下の方が1G下よりも大きくなった。どのような機構によって生じたかは今後検討する必要がある。正圧勾配を使ったブルース・クルート法による水分拡散係数測定法は、微小重力下における水分拡散係数測定法として本研究で新規に開発した。この測定法は、微小重力下での測定を可能とするばかりでなく、1G条件下では従来よりも短時間で同程度の測定が可能となった。
|
Research Products
(9 results)