2020 Fiscal Year Annual Research Report
グレア知覚の他覚的計測-認知神経科学に基づく医療診断補助と視環境評価への展開
Project/Area Number |
20K20313
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中内 茂樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00252320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 哲人 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70415842)
東 広志 京都大学, 情報学研究科, 助教 (70734474)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グレア錯視 / 明るさ知覚 / 瞳孔反応 / 時間知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではグレア錯視に着目し、主観的な明るさと瞳孔反応の関係を通じて、様々な主観量の定量を試みてきた。これまで、健常者と光感受性障害・眼病患者が異なる明るさ感を実際の輝度に基づいて知覚しているときの瞳孔反応の計測、色が異なる等輝度グレア刺激に対する瞳孔反応と主観的な明るさの計測を行ってきたが、最終年度は主観的な明るさと時間知覚、それに付随した瞳孔反応の関係について調査した。これまで、刺激の強さと知覚される時間は正の関係にあると考えられてきたが、知覚的な大きさそのものが、時間的知覚にどのように直接影響するのかは、まだ明らかになっていなかった。そこで本研究では、グレア錯視を用いた2区間の時間弁別課題を実施し、時間知覚も知覚の大きさに影響されるかどうかを検討した。その結果、主観的平衡点の平均値と瞳孔径の差から、グレア錯視の明るさが時間知覚に影響を与えること、また興味深いことに、物理的には等輝度であるにもかかわらず、見かけ上明るい刺激(グレア刺激:瞳孔光反射が大きい)の知覚時間は、対照刺激(ハロー刺激:瞳孔光反射が小さい)の知覚時間よりも短く、よく知られている「マグニチュード効果」とは対照的であった。さらに、このような時間的変調は、物理的な輝度を錯視の大きさに合わせて操作しても起こらなかった。これらの結果は、時間処理は外界の大きさと主観的な大きさの両方に依存し、錯覚的な明るさであっても持続時間の感覚に影響を与えることを示すものである。
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Research Products
(3 results)