2019 Fiscal Year Annual Research Report
Transdisciplinary study of social implications of space science and technology
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18H05296
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
呉羽 真 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任助教(常勤) (80750215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 圭介 京都大学, 法学研究科, 准教授 (00612392)
一方井 祐子 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (00709214)
稲葉 振一郎 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40252944)
神崎 宣次 南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)
寺薗 淳也 会津大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60453023)
吉永 大祐 早稲田大学, 政治経済学術院, 次席研究員 (60631439)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
磯部 洋明 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90511254)
玉澤 春史 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 客員研究員 (90829441)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙の人文社会科学 / 科学技術社会論 / 科学技術コミュニケーション / 持続可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
第2年度に当たる本年度は、①「宇宙文化」、②「宇宙と持続可能性」、③「宇宙科学技術コミュニケーション」、④「宇宙開発に関する社会的意思決定」、の4つのテーマに関して、それぞれの班が現状の課題を正確に分析する作業に集中的に取り組んだ。具体的には、各班で、以下の内容の研究を実施した。 ①「宇宙文化」班では、各種メディアに見られる言説や表象から宇宙開発に関するパブリックイメージを抽出する様々な手法の長所と短所を明らかにすると同時に、抽出されたイメージに基づいて宇宙科学技術の文化的価値を分析する手法を検討した。 ②「宇宙と持続可能性」班では、人類の生存の危機に関する言説の変化のサーベイを実施するとともに、人新世における生存上の課題を整理し、また宇宙資源開発の現在の動向を調査した。これらの作業を通して、宇宙科学技術と生存上の課題の解決の関係に関するシナリオを描くための準備を整えた。 ③「宇宙科学技術コミュニケーション」班では、宇宙開発を巡る既存の科学技術コミュニケーション形態の問題点を特定するとともに、対論型サイエンスカフェの2回にわたる実施を通して新形態の科学技術コミュニケーションを開発し、その効果を従来の形態と比較する手法を検討した。 ④「宇宙開発に関する社会的意思決定」班では、宇宙開発利用のガバナンス上の問題点を国内・国際の両面から調査することを通して、宇宙開発を巡ってこれまでに行われてきた意思決定方法の問題点を検討した。 研究グループ全体としては、本課題の主要成果となる書籍『宇宙開発の進め方をみんなで議論しよう』(仮)の執筆に着手した。また、2回の全体ミーティングを開催し、当該書籍の構成および内容の検討、各班の研究進捗状況の確認、外部の専門家の講演による情報の収集と共有を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計2回の全体ミーティングと招聘講師による講演会を通してメンバー間で専門的知識と問題意識を共有する作業を遂行できた。 具体的な成果としては、メンバーが本研究課題に関わる書籍を刊行するとともに、科学技術社会論学会や日本地球惑星科学連合、日本天文学会等の学会・会議で多数の研究発表を行った。また、宇宙ゴミ等の問題に関する対論型サイエンスカフェを開催し、その手法や効果を検討することができた。 以上から、第2年度に行うべき作業は十分に達成し、第3年度以降に宇宙科学技術を取り巻く課題の克服に向けた具体的な提案を行う準備を整えることができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度に当たるに当たる2020年度は、①「宇宙文化」、②「宇宙と持続可能性」、③「宇宙科学技術コミュニケーション」、および④「宇宙開発に関する社会的意思決定」、の4つのテーマに関して、それぞれの班で以下の内容の研究を実施する。 ①「宇宙文化」班では、各種メディアに見られる言説や表象から宇宙開発に関するパブリックイメージを抽出し、それに基づいて宇宙科学技術の文化的価値を分析する作業に取り組む。 ②「宇宙と持続可能性」班では、人類の生存の危機に関するこれまでの言説の変化のサーベイや、宇宙資源開発の現在の動向の調査に基づき、宇宙科学技術と人新世における生存上の課題の解決の関係に関する将来のシナリオを描く作業に取り組む。 ③「宇宙科学技術コミュニケーション」班では、宇宙開発を巡る新しい科学技術コミュニケーションの形態として本研究が提案する対論型サイエンスカフェを3回にわたって実施し、従来の形態と比較しながらその効果を検証する作業に取り組む。 ④「宇宙開発に関する社会的意思決定」班では、宇宙開発のガバナンス上の問題点を国内・国際の両面から調査・検討し、宇宙開発を巡ってこれまでに行われてきた意思決定方法の問題点に加えて、その解決法を特定する作業に取り組む。 以上に加えて、複数の班に関わる作業として、宇宙開発の進め方に関する世論の調査を実施する。研究グループ全体としては、上記の作業で得られた成果をもとに、書籍『宇宙開発の進め方をみんなで議論しよう』(仮)の執筆を進める。また、3回の全体ミーティングを開催し、当該書籍の各章の内容の検討、各班の研究進捗状況の確認、外部の専門家の講演による情報の収集と共有を行う。さらに、研究成果発表の機会として、学会で本課題に関わるオーガナイズドセッションを開催する予定である。
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Remarks |
宇宙倫理学に関するコメントの新聞掲載(呉羽真), 中日新聞 2020年2月18日夕刊 5面「宇宙人はTVを見るか? ⑤未知との交信」 / 北陸中日新聞 2020年2月20日夕刊 8面「宇宙人はTVを見るか? ⑤未知との交信」
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Research Products
(10 results)