2020 Fiscal Year Research-status Report
宇宙科学技術の社会的インパクトと社会的課題に関する学際的研究
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20K20317
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
呉羽 真 大阪大学, 先導的学際研究機構, 特任助教(常勤) (80750215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 圭介 京都大学, 法学研究科, 准教授 (00612392)
一方井 祐子 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (00709214)
稲葉 振一郎 明治学院大学, 社会学部, 教授 (40252944)
神崎 宣次 南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)
寺薗 淳也 会津大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60453023)
吉永 大祐 早稲田大学, 政治経済学術院, 次席研究員 (60631439)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
磯部 洋明 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (90511254)
玉澤 春史 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 客員研究員 (90829441)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宇宙の人文社会科学 / 科学技術社会論 / 科学技術コミュニケーション / 持続可能性 / 宇宙倫理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、宇宙開発の進め方に関する社会的意思決定のための実験的手法として「対論型サイエンスカフェ」を提案している。今年度は、昨年度に引き続き、宇宙開発の進め方に関する対論型サイエンスカフェを計2回にわたり実施した。2回とも新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンラインでの開催であったが、それを実施する中で、オンラインで対論型サイエンスカフェを開催する場合の課題についても検討を行い、その成果を日本天文教育普及研究会で発表した。また、過去の対論型サイエンスカフェの開催経験をもとに、その科学コミュニケーション上の有効性や課題を検討した論文を『科学技術コミュニケーション』誌にて発表した。 科学技術社会論学会で宇宙政策に関わるオーガナイズドセッションを開催し、その中で、宇宙開発の文化的・物質的意義や、宇宙開発の進め方について社会的意思決定を行う上での問題について、公共政策学や環境倫理学等の観点から議論を行った。宇宙科学技術連合講演会でも、宇宙資源に関するセッションにて、法哲学や公共政策学の観点から宇宙資源を巡る諸課題について検討する発表を行った。 宇宙開発の意義に関する諸問題について哲学・倫理学の観点から検討を行い、そこで得られた成果を含む書籍3点(単著1点、共著2点)が出版された。 この他に、日本工学会技術倫理協議会のシンポジウムや日本学術会議の講演会等で、本研究で得られた成果を含む講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第3年度に当たる本年度は、①「宇宙文化」、②「宇宙と持続可能性」、③「宇宙科学技術コミュニケーション」、および④「宇宙開発に関する社会的意思決定」、の4つのテーマに関して、それぞれの班で研究を実施し、そこで得られた成果をもとに、本課題の主要成果となる書籍(仮題『宇宙開発の進め方をみんなで議論しよう』)の執筆を進めた。研究グループ全体としては、また、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンラインにて3回の全体ミーティングを開催し、当該書籍の各章の内容の検討、各班の研究進捗状況の確認、外部の専門家の講演による情報収集および共有を行った。さらに、研究成果発表の機会として、科学技術社会論学会で本課題に関わるオーガナイズドセッションを開催した。実施予定であった宇宙開発の進め方に関する世論調査については、コロナ禍の影響等のために実施を中止した。 コロナ禍は、本研究で推進している「対論型サイエンスカフェ」をオンライン化する必要を迫り、そのための課題を提起するなどの点でも、研究活動に支障をもたらした。しかし、こうした課題に柔軟に対処する中で、より広範な参加者層を対象とした今後の科学コミュニケーションのあり方についても一定の見通しが得られるなど、成果も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる令和3年度は、これまで①「宇宙文化」、②「宇宙と持続可能性」、③「宇宙科学技術コミュニケーション」、および④「宇宙開発に関する社会的意思決定」、の4つのテーマに関して、それぞれの班で行ってきた研究の成果をまとめ、社会に発信する作業に重点を置く。 2回の全体ミーティングを開催し、本課題の主要成果となる書籍(仮題『宇宙開発の進め方をみんなで議論しよう』)の刊行に向けた作業を進める。また、研究成果発表の機会として、関連学会で本課題に関わるオーガナイズドセッションを開催するほか、本課題全体の成果を発表し、関連分野の専門家たちからコメントをもらうための本課題主催のオンラインイベントを開催する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のために、旅費の支出がなくなった。また、実施予定であった宇宙開発の進め方に関する世論調査を、コロナ禍での影響等のために中止した。 次年度も、新型コロナウイルス感染症の状況に応じて、出張・招聘を控え、旅費の支出が低額に留まる可能性がある。残額をオンラインイベント等の開催費用に充てるなど、研究目標達成のために柔軟な仕方で支出を行う。
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Research Products
(15 results)