2020 Fiscal Year Research-status Report
継続的観察手法を用いた行政不服審査の拠点型総合研究
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20K20330
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深澤 龍一郎 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50362546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 裕章 九州大学, 法学研究院, 教授 (20210015)
長谷川 佳彦 大阪大学, 法学研究科, 准教授 (40454590)
稲葉 一将 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50334991)
山下 竜一 北海道大学, 法学研究科, 教授 (60239994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 行政法 / 行政救済法 / 行政不服審査法 / 実証研究 / 行政裁量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、平成30年度および令和1年度に引き続き、各研究拠点において、数名ずつのリサーチアシスタント(ないし技術補佐員)を雇用し、全国各地の行政不服審査会の答申等の収集・整理を行うとともに、1回の全体会合を実施した。 全体会合(2021年3月15日-18日。新型コロナウイルス感染症拡大の状況に鑑みてメールによる意見交換の形式をとった)では、これまでの3年間に渡る行政不服審査会の答申等の収集・整理によって、答申等の傾向が相当程度明らかになるとともに、検討すべき論点(すなわち、(a)行政不服審査に期待されるべき独自の(すなわち行政事件訴訟とは異なる)機能とは何か、また、その中で第三者機関たる行政不服審査会はどのような役割を果たすべきか? (b)行政不服審査会は裁量基準(通達を含む)をどのように取り扱っており、また取り扱うべきか? (c)行政不服審査における判断の基準時はいつか(処分時か裁決時か)? (d)行政不服審査会は手続的瑕疵(特に理由付記の瑕疵)をどのように取り扱っており、また取り扱うべきか? (e)行政不服審査会の答申(特に審査請求を棄却しつつ、今後の行政活動に関する付言、提言を含む答申)はその後の行政活動にどのようなインパクトを与えているか? (f)行政不服審査会の答申を審査庁は尊重しているか、答申と裁決が食い違うとすれば、それはどのような要因から生じているか?)がほぼ固まったことを確認した。また、研究期間の最終年度に当たる令和3年度においては、行政不服審査会の答申等の収集・整理の作業を縮小する一方で、報告書の取りまとめ作業に重点を置くことも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各研究拠点におけるリサーチアシスタント(ないし技術補佐員)の雇用や行政不服審査会の答申等の収集・整理は順調に進んでいるものの、そのほかに計画していた海外調査等が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって延期となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は研究期間の最終年度に当たるため、行政不服審査会の答申等の収集・整理の作業を縮小する一方で、報告書の取りまとめ作業に重点を置く。海外調査および全体シンポジウムの実施の可否ないし形態については、新型コロナウイルス感染症拡大の今後の動向によって判断する。
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Causes of Carryover |
計画していた海外調査が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって延期となっているため、次年度使用額が生じている。状況が改善し次第、海外調査を実施し、次年度使用額を使用する計画である。
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Research Products
(5 results)