2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K20333
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中室 牧子 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20598403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 啓子 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (00453530)
グリフェン アンドリュウ 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (10645055)
澤田 康幸 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40322078)
真野 裕吉 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40467064)
佐々木 みゆき 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60241147)
樋口 裕城 上智大学, 経済学部, 准教授 (60757269)
奥村 高明 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (80413904)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 留学 / 回帰不連続デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
トビタテ留学JAPANでは、2014年から2020年にかけて、毎年大学生1,000名と高校生500名に返済不要の奨学金を提供しており、文科省初の官民共同での留学促進プロジェクトで、民間企業からの寄付200億円を原資として、世界で活躍できる人材育成を目指している。2017年から大学生と高校生を対象にデータ収集を実施し、大学8・9期の応募者と高校4・5期を対象に、2020年6月までにベースライン調査と2回のフォローアップ調査を実施した。「トビタテ!留学JAPAN」に応募し、選考の合格基準というカットオフ値をギリギリ満たし実際に海外に留学した生徒(=処置群)と、ギリギリ満たせず不合格となり留学できなかった生徒(=対照群)を比較するという「回帰不連続デザイン」を用いて、留学が語学力・コミュニケーション能力・異文化体験を通じた国際志向性・卒業後の就業や賃金などの労働市場での成果に与える因果効果を推定した。ベースライン調査では大学生1,359人から、高校生1,785人から回答を得、第1回フォローアップ(ベースラインから19~21か月後)では、処理群が58%、対照群が43%、第2回フォローアップ(ベースラインから27~29か月後)では、処理群が47%、対照群が38%から調査票を回収した。分析の結果、奨学金により大学生で26ポイント、高校生で59ポイント留学する確率が上昇することが明らかになり、大学生は英語力と国際的指向性が向上した。また、Abe(2002)で用いられている、就職活動の人気企業ランキングを用いて就職への影響を見てみると、留学の経験は人気企業への就職の確率を高めていることも明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染症の拡大で、海外留学が困難となり、2021年度にトビタテ留学JAPANの募集が予定通り実施されなかったため、データの収集ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
トビタテ留学JAPANは、2021年度から高校生を中心に留学の支援を行っていくことが決定していることから、コロナウィルス感染症の状況を見て、プログラム再開とともにデータ収集も再開したい。
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Causes of Carryover |
昨年度実施できなかった調査を実施するため。特に、トビタテ留学JAPANが再開され次第、研究を再開する。現時点では、9月に再開する見通しのため、2020年度に実施予定で、中止となった調査を9月に実施する。
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Research Products
(7 results)