2019 Fiscal Year Annual Research Report
持続的食資源確保のためのグローバル法戦略の研究―多角的なフィールド調査を活用して
Project/Area Number |
19H05483
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
曽野 裕夫 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (60272936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 寛 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (60279502)
嶋 拓哉 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (80377613)
児矢野 マリ 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (90212753)
山下 竜一 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (60239994)
小林 国之 北海道大学, 大学院農学研究院, 准教授 (10451410)
村上 裕一 北海道大学, 大学院法学研究科, 准教授 (50647039)
清水池 義治 北海道大学, 大学院農学研究院, 准教授 (30545215)
中山 一郎 北海道大学, 大学院法学研究科, 教授 (10402140)
伊藤 一頼 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00405143)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
Keywords | 食資源 / フードロー / 外国人技能実習生 / 認証制度 / 地理的表示 / 地域的団体商標 / 契約農産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の初年度である令和元年度(2019年度)は、農業を中心とする食資源産業の現状と課題を正確に把握するために、フィールド調査に重点を置きつつ、現状認識と問題意識の共有を図った。また、ヒアリングや研究会開催を通して、次年度以降の研究遂行のための人的ネットワークの構築を行った。 総論的研究として、令和元年は、政府が食料・農業・農村基本法に基づいて、政府が5年ごとに策定している「食料・農業・農村基本計画」の改訂作業がなされる年にあたることをふまえ、北海道の農業への影響という観点から北海道農政部へのヒアリング、食料・農業・農村政策審議会の関係者へのヒアリングを行い、農政上の課題や政府の方針について検討を行った。 「ヒト」に関する各論的研究としては、担い手不足問題に関連して、外国人技能実習生のいわゆる「農協方式」の実態について、オホーツク管内の2農協(JAきたみらい、JAこしみず)でのヒアリング調査を実施した。 「モノ」に関する各論的研究としては、第1に、認証制度の現状について検討し、そのメタレギュレーションのありかたや、中立性をめぐる問題点について研究会を実施した。第2に、種子法廃止と種苗法改正についての批判的考察を進めたほか、地理的表示と地域団体商標をめぐって夕張農協へのヒアリング調査を行い、さらに地理的表示・地域的団体商標に関する研究会を実施し、論文も公表した。 「プロセス」に関する各論的研究としては、契約農産(contract farming)によってグローバル・サプライ・チェーンに組み込まれる小規模農家の契約法的保護をめぐって、UNIDROIT/FAO/IFADの契約農産に関するリーガルガイドの検討を行い、研究会を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年度に予定していた海外調査を実施できていない。これは次のような事情によるものである。令和元年度には、研究会に報告者として招聘する予定であった研究者の都合がつかなくなったため、予定していた研究会とその成果を基礎とした海外調査を令和2年度に繰り越して実施することとした。そうしたところ、令和2年度には新型コロナウイルス感染拡大に伴う海外渡航制限が生じ、延期していた国内研究会は実施できたものの、海外調査を実現することができなかった。そのためさらに研究費を令和3年度に再繰越(事故繰越)をしたが、令和3年度も海外調査は渡航制限のために実施できなかった。 海外調査に代えて、文献調査の方法での補完をおこなったが、現地調査によって得られたであろう成果は得られなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症にかかる国内外の移動制限は緩和されつつあるものの、フィールド調査については、ヒアリング先の協力を得なければならないことや、令和4年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により欧州への航空便が大幅に減少するなど、まだ制約がある。そこで、当初は令和元年度から令和4年度までの4年間であった本研究の研究期間を、1年間延長する予定である。
|
Research Products
(23 results)