2021 Fiscal Year Research-status Report
Building a Data Knowledge Circulation System for Psychotherapy Using Artificial Intelligence Technology
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20K20876
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 心理療法 / 人工知能 / オントロジー / 認知行動療法 / 構造化知識 / 自然言語 / センシング / データ拡張 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が想定する最終目標は、データ駆動型とエキスパート型の人工知能技術を組み合わせることで、心理療法内外のあらゆる“意味のある”情報をセンシングし、ビッグデータを取得し、解析可能とするデータ知識循環を実現することにある。昨年度に引き続き、本年度も認知行動療法の構造化知識の構築を推し進めた。具体的には、UPに含まれる8つのモジュールの全てについての構造化知識の第1版を作成し、精緻化を進めた。昨年度に作成した手続き知識の構造化だけでなく、それらを目的志向の形式で記載する構造化知識の構築も進めた。また、構造化知識にリンク可能なセンシングデータについても検討を進めた。さまざまなデバイスのうち、骨伝導コミュニケーターと生体センシングセンサーのハイブリッドウエアラブル機器の適用可能性を検討した。このウエアラブル機器は、ヘッドホンのように頭部に装着し、ハンズフリーに6つの生体情報(血中酸素飽和度、灌流指標、体温、呼吸数、脈拍数、リラックス度)をリアルタイムで計測することができる。また、マルチモーダルなセンシングが可能となるように、昨年度に設置した認知行動療法ラボの運用体制を整えた。並行してデモンストレーションビデオのトランスクリプトを用いて、自然言語処理の各解析手法の有効性の検討を進めた。依然として、現状では解析データ量が少ないため、ルールベースのアプローチの検討と、EDAによるデータ拡張手法の性能評価や、Sentence Dropoutによる擬似的なデータを作成する手法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように、構造化知識の拡充や、マルチセンシングについての検討、適用する自然言語処理技術の検討を進めてきたが、当初2年で完結することを計画していたデータ知識循環につなげるには、それぞれにおいてさらに検討を要する状態であるため、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたように、構造化知識の全てに対してマルチモーダルのデータを自動的にリンクさせるようなシステムの開発は技術的に現状では難しいと判断している。次年度では、データをリンクさせることを主眼として全体のシステム構築を進めるのではなく、構造化知識をより厳密に構築することと、心理療法において意味のあるマルチモーダルのデータを適切に収集することをそれぞれ独立して推進することに注力する予定である。そして、ウエアラブル機器を装着してマルチモーダルデータのリアルタイム計測をしながら心理療法の模擬場面を実施する試行をしながら、構造化知識に暗黙知を追加する可能性ことができないかを検証する。このようにして、セラピストという人間を介しながら、構造化知識とマルチセンシングデータとを接合することで、当初描いていた構想を概念実証することを計画している。
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Causes of Carryover |
構造化知識にマルチモーダルのデータをリンクさせるシステムの開発のための人件費や開発費を予定していたものの、そのリンクするシステムを構築する前段階で困難に直面したため、上記のために予定していた支出が生じなかった。次年度に、今後の推進計画で記載した内容を進めるための人件費等で使用する計画である。
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Research Products
(3 results)