2023 Fiscal Year Annual Research Report
Fusion of algebra, geometry and combinatorics based on the roots of Poincare polynomials of hyperplane arrangements
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20K20880
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
阿部 拓郎 立教大学, 理学部, 教授 (50435971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 泰英 北海道大学, 理学研究員, 教授 (00455685)
鍛冶 静雄 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (00509656)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 超平面配置 / 特性多項式 / ベッチ数 / 寺尾の分解定理 / SPOG配置 / 加除定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度である本年度は、これまでの研究を取りまとめつつ、新しい研究の萌芽の取りまとめを行った。 本年度集中的に行った研究は、SPOG配置の加除定理の総括的研究である。超平面配置の特性多項式の根は自由配置の場合はよくわかっていたが、それ以外の配置については代数的な理解は存在しなかった。そこで代表者が2021年に導入したSPOG配置、これは包含的にも代数構造的にも自由配置に近い配置として知られているが、そのSPOG配置の特性多項式の根と代数構造の研究を実施した。具体的には、その加除定理を探索した。自由配置の場合加除定理は除去と制限が自由である場合に、それらの根の多重集合の間に包含関係がある場合に残りの一つも自由であることを主張している。その類似物を構築することで、SPOG配置間の根の関係を代数的に明確にできるのでは、と考えた。 結果として、加法、除法、制限すべてに対して、SPOG配置の加除定理がある程度までは定式化できることが分かった。ただし現段階では、自由配置ほどまとまった形ではなく、いくつか例外的な場合を除く必要があり、更なるブラッシュアップが必要であると感じている。具体的には、SPOG配置に、制限がSPOG配置となるような超平面を付け加えた場合、得られる配置がSPOGである場合がほとんどである中で、自由配置となってしまう場合があるという問題がある。これは特性多項式の係数が、自由配置とSPOG配置とで、異なる構造を持つ場合でも係数が一致してしまうことがあるという三次元の場合の状況を高次元に反映しているものと考えられる。これらの配置の特性多項式の根の情報をより精査することで、結果としてよりまとまったものになると考えている。 研究機関全体を通して、自由性を用いた特性多項式の根の特徴づけ、グラフ配置の根の挙動の解析などを達成し、特性多項式の根の理解が大きく進んだと考えている。
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