2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K21200
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
平井 健二 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (10754400)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 有機金属構造体 / metal-organic framework / レーザー発振 / 非線形光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属イオンと有機配位子が自己集合することによって、結晶性の多孔性材料である有機金属構造体(MOF:metal-organic framework)が得られる。MOFは規則的な細孔を有しており、細孔の中に内包された分子・粒子は規則的に配列する。本研究では、MOFの細孔内に分子・粒子を配列させる技術を基盤としたレーザー技術の開拓を試みた。 令和3年度は、レーザーの波長変換を可能とする非線形光学応答材料の開発を行った。MOFを用いた非線形光学材料の開発は、対称心を持たないMOFを設計する、または非線形光学応答を示す分子を細孔内に内包させる方法が採られる。本研究では、MOFと細孔内のゲスト分子の相互作用を利用した非線形光学応答材料の開発を試みた。 MOF-177の細孔の中にリチウム内包フラーレン(Li@C60)をゲストとして導入した。MOF-177は対称性の高い構造であるが、Li@C60を内包することでMOF-177の対称性が崩れ、非線形光学応答を示すことがわかった。また、Li@C60も非線形光学応答を示す分子である。このLi@C60を内包したMOF-177から第二次高調波発生を観測した。Li@C60を内包したMOF-177はLi@C60と比較して、第二次高調波発生の効率が40%向上していることを確認した。また、MOF-177の細孔にLi@C60を導入することで、不安定なLi@C60が安定化することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機金属構造体(MOF:metal-organic framework)の細孔の中で分子・粒子を配列させることで、特異な光学特性が発現することを明らかとしている。MOFや内包する粒子・分子の種類を様々に変えることで、光物性の最適化が可能になると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
MOF細孔内に分子・粒子を配列させることで複合体からのレーザー発振を試みる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、他研究機関における出張測定の予定変更があった。出張測定は次年度に実施する予定である。
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