2021 Fiscal Year Annual Research Report
クジラはどうして長く潜ることができるのか?心機能評価からのアプローチ
Project/Area Number |
20K21362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 健太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80374627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 かがり 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (60526888)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 心電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
鯨類は90分間にわたって潜水する事が可能であり、その潜水能力は哺乳類の中で最大である。しかし、潜水中の生理機能を経時的に計測する方法が無いため、長く潜ることができる理由は良く分かっていない。潜水に伴い、心拍数や代謝率が低下する事で、長時間の潜水が可能になると信じられているが、その証拠を得ることは出来ていない。潜水とともに心臓の動きが変化するのであれば、それは不整脈と言うべき現象が起こるに違いない。人間の不整脈を診断する時には、数日間にわたって心電図を記録し続けるホルター心電図計という装置が用いられる。鯨類用のホルター心電図計を自由遊泳するクジラに装着し、その様子を記録することが出来れば、潜水時に起こる心臓の変化、つまりクジラの潜水能力の秘密に迫れるのではないだろうか。そこで、本研究では自由遊泳を行う鯨類の心電図を継続的に計測する方法を開発することで、中長期的に心電図を記録し、鯨類の水中能力に関わる知見を得ることを目的とした。今年度はハナゴンドウを対象として一か月間に渡って、継続的に心電図や活動量の計測を行った。加えて、計測個体周辺の水温や潮汐の記録も取得した。これらの記録を解析する事で、水面での休止時や遊泳時の心拍数や活動量の変動について検討した。さらに、昼夜や水温の変化と心拍数や活動量の相関を調べることによって、周辺環境の変動に対する個体の生理反応に関する知見を得る事が出来た。これらの研究成果を学会や学術雑誌に発表した。
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Research Products
(6 results)