2021 Fiscal Year Research-status Report
Genome-stabilizing activity of aldehyde catalyzing enzymes that support epigenetic reprogramming
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20K21394
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 穣 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (30281728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牟 安峰 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (20894455)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | エピゲノム再構成 / フォルムアルデヒド / ゲノム損傷 / iPS細胞 / リプログラミング / ADH5 / ALDH2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エピゲノム再構築に伴うヒストン脱メチル化反応によるホルムアルデヒド(HCHO)産生がゲノムを損傷すること、そして、HCHOを分解する酵素群であるADH5/ALDH2による解毒作用がエピゲノム再構築を支える必須メカニズムであることを検証する。ADH5/ALDH2のiPS細胞初期化における役割の検討を進めている。健常人由来繊維芽細胞のiPS初期化系確立による検討(2020-22年度):DOX誘導性に山中4因子をポリシストロニックに発現するレンチウイルスによってリプログラムする系を立ち上げようとしたが、効率よくリプログラムする細胞が得られなかった。そこで、我々が以前樹立したADH5/ALDH2欠損症患者由来の線維芽細胞由来のDOX誘導性にALDH5を発現するiPS細胞を、一度線維芽細胞に分化させ、その細胞にリプログラミング因子を導入してDOXの有無によってiPS化効率の測定を行った。この系によってはっきりとADH5の存在がiPSリプログラミングを促進するデータを得ることができた。このとき、DOXマイナスのリプログラミング培養では、細胞が少数しかないのに、培地が黄色となる現象が観察され、ホルムアルデヒドの産生のためではないかと考えられる。そのメカニズムとして脱メチル化が想定されるため、KDM酵素の阻害剤の効果を試す。培地中のホルムアルデヒド濃度を測定し、DOXマイナス条件下で得られたiPS細胞のDNA損傷量の検討、ゲノムシーケンスによるシグニチャー解析などを試みる。また、一般性をみるため、健常人由来の線維芽細胞のりプログラム系でADH5やALDH2阻害剤の効果を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調にデータを得ており、進展スピートに問題ないと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノムシーケンス解析を行うため、共同研究を依頼する。また、すでに観察された現象の一般性を確率するため、リプログラミング効率のよい正常線維芽細胞を入手し、検討する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延状況によって、研究室のアクティビティを低下せざるを得ず、実施予定であった実験を2022年度に行うこととした影響が大きい。
使用計画としては、細胞のリプログラミング中のホルムアルデヒド産生量の測定や、ゲノム損傷(変異の蓄積)などの測定にかなりの金額を支出することを計画している。共同研究と外注の両方の可能性を模索していく。
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Research Products
(7 results)