2022 Fiscal Year Research-status Report
A novel immuno-radiotherapy using autologus T cell and pH-responsive capsule for delivery of inorganic nanoparticles
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20K21576
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20707161)
窪田 光 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60824208)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 放射線増感 / がん幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、過酸化チタンナノ粒子が膵臓がんのがん幹細胞にも腫瘍増殖抑制効果があることを発見し、報告した。従来、放射線と併用することで大量の活性酸素を産生し、放射線増感効果を著明に増加させる過酸化チタンナノ粒子の開発に成功し、世界的にも先駆的な立場で過酸化チタンナノ粒子を利用した放射線増感剤の開発に取り組んでいる。この素材を臨床応用するには、過酸化チタンナノ粒子が腫瘍に特異的に集積する必要があるが、過酸化チタンナノ粒子の表面修飾技術が必要不可欠である。我々はPMAP(Polyphenol-Mediated Assembly of Proteins)と呼ばれる独自のナノ粒子コーティング技術を開発しており、PMAPを応用することで、過酸化チタンナノ粒子にDrug Delivery System(DDS)をもたらすことが可能にした。腫瘍細胞への特異的集積性の検討に関して、がん幹細胞に高発現しているCD44を認識する抗体と過酸化チタンナノ粒子を結合させることに成功し、CD44陽性細胞とCD44陰性細胞を用いたin vitroの実験系において腫瘍集積性の評価を行った。蛍光顕微鏡によるCD44陽性細胞またはCD44陰性細胞へのナノ粒子の取り込みを評価し、CD44陽性細胞内への有意なPMAP-過酸化チタンナノ粒子の取り込み量の増加を認めた。腫瘍増殖抑制効果の検討に関して、タンニン酸を用いて無機分子・有機分子の結合体の作成の実験を進め、その合成に成功した。それらを用いて放射線照射の併用効果をコロニーアッセイにて評価した。CD44陽性細胞においては、PMAP-過酸化チタンナノ粒子と放射線を併用することにより放射線単独または過酸化チタンナノ粒子単独よりも有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた。これらの検討により、CD44を高頻度に発現するがん細胞へのPMAPを介して高効率な過酸化チタンナノ粒子の輸送に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、助成期間を通して、過酸化チタンナノ粒子が膵臓がんのがん幹細胞にも腫瘍増殖抑制効果があることを発見し、発表論文が採択されている。さらに過酸化チタンナノ粒子とPMAPの融合に成功した。新型コロナウイルスの感染流行による行動制限のため、動物を用いた検討は実施できなかった。しかし、上記のin vitroの結果により、本申請期間中の目標はほぼ達成できたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討では、乳がん由来のヒト培養細胞と、がん細胞の表面抗原を標的化した抗体を用いてMPN法を用いた過酸化チタンナノ粒子のがん細胞内への効率的な取り込みを確認してきた。さらにヒト膵臓がん細胞を用いた検討でも同様の結果を得ている。つまり、MPN法を用いた無機ナノ粒子と有機分子の結合によって、無機ナノ粒子の選択的取り込みを確認してきた。今後はこれまで実施できなかった様々な抗体と過酸化チタンナノ粒子の融合分子をインビボで検討の予定である。。特にエクソソームは、脂質2重膜構造であり、これまで成功してきた抗体(蛋白)と同様の結果が得られるかどうかは慎重に検討を進める必要がある。CD8陽性細胞や制御性のTreg細胞の分離や無菌化の増幅方法を確立してきたが、そこから得られるエクソソームの量はまだ少量と言わざる得ない。しかしながら抗原提示を受けた免疫システムの中で増幅した免疫細胞は、腫瘍へのターゲット化に関しては大きな魅力があり、そのエクソソームの役割を見極めつつ、本研究申請の展開をより強力に実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響でインビボ実験が遅れたことが一因にあげられるが、その他にも同様の原因により、海外成果発表ができなかったことが原因として考えられる。
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Research Products
(12 results)