2021 Fiscal Year Research-status Report
ジュベール症候群関連疾患の遺伝子診断のためのVUSの病因性スクリーニング法の開発
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20K21584
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 洋一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10815161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 裕將 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40514237)
伊藤 雅之 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第二部, 室長 (50243407)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ジュベール症候群関連疾患 / 繊毛 / VUS / アフリカツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞小器官の繊毛の異常によって引き起こされるジュベール症候群関連疾患(JSRD)に焦点を当てている。JSRDは、脳形成異常、多発性嚢胞腎、網膜障害などを伴う先天性疾患で、既に複数の原因遺伝子が報告されているが、それらの遺伝子だけでは全てのJSRDの病因を説明することができない。そこで、約50例のJSRD患者のゲノム解析を行なったところ、10例以上のvariant of unknown significance (VUS)が認められた。本研究では、それらのVUSの病因性の確定と病因性が確定されたVUSによって引き起こされるJSRDの病態解析の解析を行う。さらに、アフリカツメガエル胚とアンチセンスオリゴを組み合わせる系を用いることで、JSRDのVUSに対して迅速で経済的にその病因性を確定できる系を確立していくことも本研究の目的としている。2021年度は、すでに施行されたJSRDのゲノム解析から判明したVUSの中で、これまでに繊毛病との関連が報告されていない4つの遺伝子について、それぞれをツメガエル胚でノックダウンし、繊毛の形態と腎臓の近位尿細管の拡張を検証した。これらの結果、2つの遺伝子のノックダウン胚で繊毛の形態の異常と近位尿細管の拡張を認めた。2020年度の結果を合わせると、4遺伝子ついては、繊毛の形態に影響を与え、その異常がJSRDの病態を引き起こす原因となっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で使用されるアンチセンスDNAオリゴ(モルフォリーノオリゴ)は米国のGene Tools社の独占商品で、コロナ禍のため入手するまでに以前より時間がかかっているためである。また、研究を担当している者のコロナ感染による計画遂行の遅れもある。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までにノックダウン実験で繊毛の形態と腎臓の尿細管に異常をきたした4VUS遺伝子に関して、VUSクローンを使用したレスキュー実験を行い、VUSの病因性の確定をする。これらのVUSの病因性が確定できた遺伝子の中で、繊毛に局在するものを優先して、該当遺伝子の変異による病態の発症メカニズムについて解析を行う。また、繊毛の形態に異常をきたさなかった遺伝子に関しては、遺伝子産物を欠損した胚におけるSonic Hedgehogシグナルの活性状況を確認することで、繊毛の機能的異常を引き起こしているか検証する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で実験に必要な物品が予定通りに手元に届かなかったことや研究室内でコロナ感染者が出たため、研究の進行遅れが生じた。次年度は早めに物品の発注を計画し、予定期間内に実験が行えるように努力する。
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