2021 Fiscal Year Annual Research Report
肝組織間質蛋白の糖鎖修飾構造を標的とした肝線維化に対する糖鎖創薬の基盤形成
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20K21592
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂本 直哉 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10334418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 剛生 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (20447460)
古川 潤一 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374193)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肝星細胞を標的とした細胞・薬物療法による肝線維化の組織修復を促進する治療法を開発するため、NASH肝硬変に伴う組織病態の解析のため、包括的糖鎖修飾解析により肝線維化、脂肪化、肝発癌カスケードに関連する宿主蛋白の探索を行い、新たな標的分子の探索を行うことである。今年度下記の成果を得た。 1. 血清組織糖鎖修飾構造の網羅的探索:血清糖タンパク質糖鎖(N-結合型糖鎖、O-結合型糖鎖)、スフィンゴ糖脂質、グリコサミノグリカン(コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸)、遊離オリゴ糖等の複合糖質糖鎖等の包括的解析をおこない、組織障害のステージに有意に関連する修飾糖鎖構造およびそのキャリアタンパク質として、IgA、Fibronectinをはじめとする複数の蛋白を同定した。種々の肝線維化ステージのNASH症例の血清IgAの糖鎖修飾構造を解析し、肝線維化進展例で特定の修飾IgAが増加することを示した。 2. 肝線維化、星細胞活性化に関連する組織中、血清分泌型microRNAの網羅的探索:培養肝星細胞活性化に関連するmicro RNAの包括的解析を施行し、miR-29a、miR-449a、その他特定のmiRNAが活性化星細胞で高発現し、knock downにより星細胞alpha-SMA、type-I collagen発現が抑制されることを示した。Pathway解析では、これらのmiRNAは細胞骨格、細胞外マトリックス、chemotaxis関連経路の蛋白の発現を調節していることが明らかとなった。 3. 培養星細胞、間葉系幹細胞をもちいた肝線維化・修復に関連する成分分析を行い、パルミトイルエタノールアミンがPPAR-alphaを介して、肝線維化抑制、抗炎症作用を呈することが見いだされた。 4.培養肝星細胞由来RI-T細胞株および初代ヒト肝星細胞を用いて、Kuppfer細胞共培養下のLPS刺激、TGF-β添加培養などにより活性化星細胞構築のための培養条件の設定等をおこなった。
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Research Products
(6 results)