2021 Fiscal Year Annual Research Report
IMiDsにおける新規基質同定による新規がん治療戦略の構築
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20K21617
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊繁 吉謙 九州大学, 大学病院, 講師 (40619706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 浩一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80380385)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | アロマターゼ / IMiDs |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、ヒト正常造血幹細胞から分化誘導したヒト巨核球を用いた実験により、IMiDsが血小板減少を誘導する分子機構として、巨核球におけるproplatelet formation(PPF)誘導に必要なアロマターゼがIMiDsによる分解を受けることで成熟血小板産生が障害されること、IMiDs内服により、骨髄腫患者内でアロマターゼ量が減少することを見出した(Tochigi et al, Blood 2020)。したがって、IMiDsはアロマターゼを分解誘導することでアロマターゼ阻害剤と同様に閉経後乳癌において抗腫瘍効果を果たす可能性が考えられ、本研究においては以下の2点を中心に解析を行った。
1)新規neo-substrate解析; CRBNノックアウト巨核球系細胞株(MegO1)を樹立し、質量分析装置による新規neo-substrateの探索を行い、血小板特異的な分子Xがneo-sustrateであることを見出した。分子XはIMiDs存在下でアロマターゼとは逆にプロテアソームによる分解を免れることで蓄積し、血栓形成を促進することを見出した。すなわち分子XはIMiDsの代表的副作用である血栓形成の原因となる分子である可能性が考えられ、現在検討をさらに継続している。 2)IMiDsによるAROMを標的とした乳癌治療戦略;閉経後乳癌の薬物治療の第一選択はAROM inhibitor(AI)であるが、AIによるAROM活性抑制とIMiDsによるAROMの直接的分解は作用機序が全く異なり相乗的効果が期待される。乳癌細胞株とエストロゲン産生細胞を同時に免疫不全マウスに移植すること系を確立した。現在、このエストロゲン産生腫瘍モデルを用いたマウスモデル実験を継続している。
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