2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism of development and preventive method for endometriosis-associated ovarian cancer
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20K21665
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松村 謙臣 近畿大学, 医学部, 教授 (20452336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 幸祐 近畿大学, 医学部, 講師 (60734671)
高矢 寿光 近畿大学, 医学部, 講師 (60734689)
宮澤 正顯 近畿大学, 医学部, 教授 (60167757)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮内膜症 / PIK3CA変異 / 卵巣明細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内膜症、および、内膜症関連卵巣癌である卵巣明細胞癌について、以下の研究実績が得られた。(1) 正所性子宮内膜、内膜症、卵巣明細胞癌のPIK3CA変異解析を行い、正所性子宮内膜には高頻度にPIK3CA変異が認められ、それが特にPIK3CA変異を伴わない卵巣癌症例における正所性子宮内膜で頻度が高く、いわゆるpassenger変異というべき状態であることを見出した。一方、一見、PIK3CA変異を認める卵巣明細胞癌であっても、腫瘍を詳細に解析すると、部位によってPIK3CA変異があったりなかったりする、いわゆる腫瘍内不均一性を認めることも見出した。これらの結果は、正所性子宮内膜は、発癌母地である可能性が高いものの、そのことを証明することは容易ではないことを示唆している。本研究については、現在論文投稿中である。(2)腸管や膀胱に生じた希少部位子宮内膜症の症例について、PIK3CA変異や性ホルモンレセプター発現と治療経過の関連について報告した。(3)内膜症性嚢胞を有する不妊症患者について、嚢胞の穿刺排液とホルモン療法を併用する治療法が、生殖補助療法の成績を向上させるかについて検討するための前向き臨床試験を開始した。(4)マウス卵巣にPik3ca変異とArid1a変異を生じさせることにより、内膜症関連卵巣癌である明細胞癌を生じさせる実験系を確立した。(5)正所性子宮内膜と子宮内膜症、内膜症関連卵巣癌の関わりについて論じる総説論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正所性子宮内膜において、卵巣明細胞癌と全く異なるPIK3CA変異のパターンが認められたことは、研究開始時の予想とは異なったが、近年、食道癌でも、周囲の正常粘膜に癌と異なるタイプの変異が多く認められると報告されており、それと合致したデータと思われた。その他、子宮内膜症や内膜症関連卵巣癌について、順調に研究を推進できていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜症、および内膜症関連卵巣癌の発生メカニズムについて、以下の研究を行う。(1)内膜症性嚢胞を有する不妊症患者に対する嚢胞穿刺排液とホルモン療法に関する前向き臨床試験を進める。(2)マウスの卵巣明細胞癌モデルにおいて、IL-6抗体などにより、腫瘍形成に変化が認められるかを調べる。(3)卵巣明細胞癌細胞において、エストロゲン添加などの外的因子が、APOBEC発現などの発癌因子に与える影響を調べる。
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Causes of Carryover |
状況;新型コロナウイルス感染症の蔓延により、参加を予定していていた学会がweb方式となり、学会参加のための予算をあまり使わなかった。また、当初の予想と異なり、PIK3CAの3つのmutation hot spotのみの解析でも、内膜症関連卵巣癌および、その正所性子宮内膜のPIK3CA変異のパターンが大きく異なることが明らかになった。そこで、子宮頸部細胞診検体を多数解析するという研究予定を変更したために、2020年度予算の余剰が生じた。 使用計画;2021年度は、その予算を用いて、内膜症関連卵巣癌におけるPIK3CAの変異パターンの腫瘍内不均一性を詳細に解析する方針とする。
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[Journal Article] Immunogenomic landscape of gynecologic carcinosarcoma.2021
Author(s)
Gotoh O, Kiyotani K, Chiba T, Sugiyama Y, Takazawa Y, Nemoto K, Kato K, Tanaka N, Nomura H, Hasegawa K, Fujiwara K, Takamatsu S, Matsumura N, Noda T, Mori S.
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Journal Title
Gynecol Oncol
Volume: 160
Pages: 547-556
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Targeting Dormant Ovarian Cancer Cells In Vitro and in an In Vivo Mouse Model of Platinum Resistance.2021
Author(s)
Huang Z, Kondoh E, Visco ZR, Baba T, Matsumura N, Dolan E, Whitaker RS, Konishi I, Fujii S, Berchuck A, Murphy SK.
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Journal Title
Mol Cancer Ther
Volume: 20
Pages: 85-95
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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