2022 Fiscal Year Annual Research Report
加齢性疾患に対するLipoqualityを利用した新規治療法開発の挑戦
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20K21761
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 真志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (50754488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 康太 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (80723816)
大南 博和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90803057)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | SASP因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢と共に増える老化細胞から分泌されるsenescence-associated secretory phenotype (SASP)因子は、個体の老化を更に加速させて様々な加齢性疾患を発症させる。小胞体ストレスなどの刺激により形成されるストレス顆粒や異常タンパク質の凝集体は、様々な疾患発症に関わる。凝集体は生体防御システムの1つであるオートファジーにより分解される。興味深いことに、飽和脂肪酸 (C18:0) と一価不飽和脂肪酸(C18:1) のバランスを決定する脂肪酸不飽和化酵素(SCD) 活性の抑制は、オートファジー不全を引き起こすが、老化細胞への影響は不明である。本研究は、老化細胞から分泌されるSASP因子や凝集体を削除する戦略の構築とその分子機序の解明を目指す。 2020年度はマウス線維芽細胞株NIH3T3細胞を用いて、SA-β-galやSASP因子の遺伝子発現量の結果から、継代数を重ねることで細胞の老化度が進んでいることを確認した。 2021年度は、細胞内のSCD活性を抑制するリン酸の細胞老化への影響を検討したが、P9とP40のNIH3T3細胞の細胞内リン濃度に差はなかった。しかしながら、培養培地へのリン酸添加による細胞内へのリン酸取込み活性、細胞内リン濃度、SASP因子の遺伝子発現変化に対する影響は、P9よりもP40の方が小さかった。 2022年度は、若齢および高齢マウスに低リン食またはコントロール食を15週間与えて、腎臓への影響を検討した。その結果、若齢マウスに比して高齢マウスの増加した腎臓重量は低リン食によりその増加は軽減したが、腎臓重量当たりのリン含量は逆の結果が得られた。また、腎臓の線維化関連因子の遺伝子発変化を検討した結果、若齢マウスと比して高齢マウスで増加したTGF-b1、a-SMA、Col1a1 mRNA発現量は、低リン食によりその増加は抑制された。
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Research Products
(2 results)