2023 Fiscal Year Research-status Report
蛍光体発光スペクトルの安定性に着目した検出器校正による環境計測ライダーの新展開
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20K21844
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢吹 正教 京都大学, 生存圏研究所, 特定研究員 (80390590)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | 大気ライダー / 校正手法 / 環境計測 / 蛍光スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
気温・水蒸気・エアロゾル・オゾン等の精緻な空間分布を得る環境計測ライダーは、受信光の分光検出を基礎としており、その校正精度が観測データの質に影響する。本研究では、単純かつ高精度・高頻度の校正を可能とする手法を提案し、豪雨予測や健康影響評価に有用な環境計測ライダーの定量計測に貢献することを目的とする。これまでに、プラズマ発光蛍光体を用いた校正用の入射機構を構築した。大面積の面発光が可能なプラズマ発光蛍光体は、LED、タングステンランプ、重水素ランプなどの点光源に比べて設置角度に対するロバスト性は高いものの、設置角度の微小なズレが校正スペクトルの誤差要因となりうる。そこで、敢えて入射角を微小にずらし、そのスペクトルの平均をとることで、安定した校正値が得られることがわかった。 本校正を適用したライダーの評価は、京都大学生存圏研究所・信楽MU観測所にて2022年9月、2023年9月に行われたドローン・係留気球、およびドップラーライダーとの複合観測から実施した。観測所は森林域に囲まれているが、有機物を多く含む都市大気等の多様な大気条件下で本校正装置の有効性を評価する必要があると考えた。そこで、2023年は、並行して進めている基盤研究(B)「機動的な車載複合ライダーによる地表近くの気象と大気微量成分の3次元センシング」で開発した車載ライダーに登載して、都市部、山岳域、寒冷地等での実証実験を実施した。観測サイトの特徴に応じて、校正装置の微調は必要となるが、どのケースでも本校正装置が観測精度向上に有用であることを確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
校正装置の最適化に時間を要したため、有用性の検証が十分とは言えない。データ取得が十分でない農地上で行う追加実験を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
校正に適した分光系の最適化を継続中であり、その校正値の安定性能の評価を、特に観測できる期間が限られるため、データ取得が十分でない農地上で行う予定の検証実験を行い、その成果を論文として取りまとめる。
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Causes of Carryover |
本課題で開発した校正装置の評価実験として、校正装置の最適化に時間を要したため、観測期間に制限のある農地上のデータ取得が十分でなかった。助成金は、追加データ取得のための経費とその成果とりまとめに関わる費用に支出する。
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Research Products
(4 results)