2021 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の「情報へのアプローチ」の枠組みの開発とその測定・分析に関する研究
Project/Area Number |
20K22238
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
飯尾 健 徳島大学, 高等教育研究センター, 助教 (70887570)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 情報リテラシー / 情報へのアプローチ / 心理尺度 / パフォーマンス評価 / ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、情報の探索・活用・発信を伴う情報課題に取り組む際における学習者の課題の捉え方や使用する方略等といった学習者の情報課題への取り組み方をまとめた「情報へのアプローチ」の枠組みならびにその測定方法を開発することである。 本年度は昨年度開発した「情報へのアプローチ」の枠組みならびに「情報へのアプローチ」尺度の妥当性を検証するため、実際の大学の授業において情報課題に取り組んだ学生に対し「情報へのアプローチ」尺度に回答を求め、尺度の得点と情報課題の成績との間の比較を行った。 方法としては、まず、ある大学の2つの授業「K」および「S」において、それぞれ必要な情報を収集し授業内容に関連したポスターを作成するというパフォーマンス課題を開発・実践した。完成したポスターはそれぞれの授業共に「知識・内容」「情報の探索」「情報の評価」「情報の活用」「情報の発信」の5観点・4レベルから成るルーブリックを用いて評価を行った。同時にポスターが完成した時点で学生には「情報へのアプローチ」尺度に4件法で回答を求め、「情報へのアプローチ」尺度の下位尺度である「情報への深いアプローチ」「情報への浅いアプローチ」それぞれの合計得点を算出した。 ルーブリックを用いた評価結果のうち、本研究と関連した「情報の探索」「情報評価」「情報の活用」「情報の発信」の観点と「情報への深いアプローチ」および「情報への浅いアプローチ」の得点について、それぞれ相関分析を行ったところ、「K」では「情報の評価」と「情報への深いアプローチ」が有意な正の相関、「情報の活用」と「情報への浅いアプローチ」が有意な負の相関を示した。一方で「S」では「情報の発信」と「情報への浅いアプローチ」が有意な負の相関を示した。 以上の結果から、情報リテラシーにおける一部の観点においてではあるが「情報へのアプローチ」の妥当性を示すことができた。
|
Research Products
(2 results)