2020 Fiscal Year Research-status Report
格子ボルツマン法に基づく設計感度解析による流体騒音の低減技術の構築
Project/Area Number |
20K22397
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
草野 和也 九州大学, 工学研究院, 助教 (10879977)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 流体騒音 / 格子ボルツマン法 / アジョイント法 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値解析技術の発達により、家電や車両などの機器の設計時に、流体騒音を予測するとともに、その発生メカニズムを明らかにすることが可能になりつつある。しかしながら、発生メカニズムが明らかになったとしても、どのように形状を修正すれば、流体騒音の発生を抑制できるのかは自明ではない。現状では、個々の問題ごとに経験則に基づく対策が講じられており、流体騒音の低減を目的とした汎用的な設計手法は確立されていない。 本研究では、格子ボルツマン法(LBM)に基づく流れ場と音響場の直接解法を用いて、流体騒音の低減を目的とした変分問題を定式化することにより、流体騒音に対する設計パラメータの感度を高精度に評価可能な手法を構築する。本設計感度解析手法によって、実験や数値解析による試行錯誤を繰り返すことなく、従来設計を超える革新的な静音形状を創出することが可能になると期待される。 これまでに、物体寸法などの設計パラメータに対する任意の観測位置における音圧レベルの感度を算出する手法について変分法に基づく定式化が完了した。本手法について、数値解析プログラムを作成し、簡単な検証問題で妥当性を検証した。まず、人工的な音源を用いた騒音制御問題に適用し、本手法を用いて評価した設計感度が差分法によって評価した結果と定量的に一致することを確認した。さらに、一様流中の柱状物体から発生する流体騒音問題に適用し、本手法によって評価した設計感度に基づいて物体の寸法を変更することで流体騒音を低減できることを確認した。以上によって、定式化および解析プログラムの妥当性を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画の通り、設計感度解析の定式化およびその基礎検証を実施した。その結果、物体寸法などの設計パラメータに対する任意の観測位置における音圧レベルの感度を算出する手法について変分法に基づく定式化が完了した。本手法について、数値解析プログラムを作成し、簡単な検証問題で検証することで、定式化および解析プログラムの妥当性を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画の通り、一様流中の柱状物体のカルマン渦から発生する流体騒音の静音化問題に設計感度解析手法を適用し、本手法の有効性を検証する。初めに、低レイノルズ数の流れ条件で断面形状を感度解析に基づき修正し、修正形状について静音化効果を数値解析で検証する。先行して、寸法最適化については既に実施しているが、より設計自由度の高い形状最適化に対する本手法の有効性を検証する。さらに、高レイノルズ数の条件で三次元的な形状修正を試行し、創出された形状について3Dプリンタを用いて試作し、風洞試験装置を用いた騒音計測により、騒音低減効果を検証する。
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Research Products
(1 results)