2020 Fiscal Year Annual Research Report
肝内型マラリア原虫における寄生胞膜を介した生存戦略の解明
Project/Area Number |
20K22768
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福本 隼平 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特任研究員 (30882401)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2021-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / 寄生胞膜 / BioID / TurboID / miniTurbo / ハイジャック機構 / 肝内期 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、ネズミマラリア原虫(P.berghei)でBioIDタグを付加したEXP1を過剰発現させて、原虫の寄生胞膜タンパク質を網羅的に同定する予定であった。しかし、BioIDと比較して短時間でビオチン化を行えるTurboID、miniTurboにタグを変更することにした。これにより経時的にタンパク間相互作用を調査することができる。感染の前期・中期・後期でPVMに局在するタンパクは変化すると考えられるため、TurboID、miniTurboを使用することによって、より詳細なPVMタンパクの全体像を捉えることができる。 またはじめに、肝内期原虫と比較して実験試料の調製が容易な、赤内期原虫(P.falciparum)を使用してビオチン化実験を行うこととした。これにより、ビオチン化実験に最適な実験条件を探索することが可能であり、肝内期原虫のビオチン化実験をより円滑に行うことができる。 一年目は、赤内期原虫(P.falciparum)のEXP1にminiTurboを付加した融合タンパク質をエピソーマルに過剰発現するプラスミドの構築を行った。また、過剰発現させた場合にタンパクによっては細胞毒性を示す可能性があるため、EXP1のC末端にminiTurboを付加したコンストラクトの作成も同時に開始した。これらのコンストラクトを使用して、先行研究で明らかになっているPVMタンパクを同定できるか確かめる予定である。また、EXP1の配列を他のタンパクコード配列に置換することで赤内期におけるタンパク間相互作用の新規研究ツールとして利用できる。
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