2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of cooling by irrigation during implant placement on surrounding bone healing
Project/Area Number |
20K23031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神野 洋平 九州大学, 大学病院, 助教 (40507779)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | インプラント周囲骨 / 温度変化 / 高トルク埋入 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント体を用いる歯科補綴治療の期間短縮のために即時・早期負荷を選択するこ とが増えており、埋入時の初期固定獲得が治療成功のための必須条件とされている。アンダ ーサイズドリリングは初期固定獲得のための一般的な術式である。しかし過度のアンダーサ イズドリリングによる高トルク埋入は早期失敗の一因とされておりその術式は諸刃の剣であ るともいえる。インプラント手術に際し、埋入窩形成時には骨の火傷防止のために注水冷却 を行うが、埋入時には一般的ではない。申請者はこれまで、高トルク埋入がインプラント体 周囲骨治癒に与える影響、それに伴う周囲骨内の形態変化(空隙の出現)が荷重負荷時の骨 内応力・ひずみ分布に与える影響、埋入時の周囲骨内温度上昇などに関して検討を行ってきた。 これらの研究過程で過度のアンダーサイズドリリングによる高トルク埋入時の周囲骨内の 形態変化は、埋入時の周囲骨内温度上昇により惹起されている可能性があるという仮説を着 想した。温度上昇は注水することにより術者が軽減する事が出来る。そこで、埋入時の注水冷却が骨内の形態変化を軽減し、即時・早期負荷に適した骨治癒に寄与するかを明らかにするための研究を計画した。 埋入時の周囲骨内での温度変化の実測を行い、注水による温度低下に関するデータの収集を目指したが、技術的に難しく埋入時にインプラント体を生理食塩水に浸漬し、それによる温度低下のデータを収集した。高トルク埋入時にも、浸漬しなかった時と比較して大きな温度低下が認められた。 埋入時にインプラント表面を濡れた条件にすることにより、埋入時の周囲骨の温度上昇を軽減することができる。今回は達成できなかったが、特に高トルク埋入による温度上昇を注水によって軽減できる可能性が示唆された。
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