2020 Fiscal Year Research-status Report
三角縁神獣鏡製作地同定へ向けて ー華北東部系鏡群の調査を中心にー
Project/Area Number |
20KK0010
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
清水 康二 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 指導研究員 (90250381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 哲也 九州大学, 総合研究博物館, 准教授 (50315115)
南 健太郎 岡山大学, 埋蔵文化財調査研究センター, 助教 (60610110)
清水 克朗 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (70235646)
宇野 隆志 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 主任研究員 (80739144)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2026-03-31
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Keywords | 銅鏡 / 古墳時代 / 三国時代 / 製作技術 / 魏晋南北朝 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度については、当初の研究計画として、中国での資料調査1回(6名、10日間)を予定していたが、新型コロナ問題で実施することができなかった。そのため、2021年度以後の中国での資料調査の準備と文献および既往の調査資料を中心に研究を進めた。まずは、2018、2019年度に資料調査を実施した山東省出土鏡および鏡笵の資料化と検討をおこなった。これらは前漢鏡笵と前漢鏡を中心とするが、後漢代の銅鏡資料も含まれており、これらの3D計測データと写真、観察記録をもとに前漢代から後漢代にかけての銅鏡製作技術の特性を把握することを目指した。東アジア地域の後漢~六朝代を中心とした銅鏡の類例集成も開始した。橿原考古学研究所には、2000年頃から山東省で断続的に銅鏡の資料調査をおこなっており、これらの観察カードと写真が残されている。これら既存の資料を見直して、再観察や3D計測をおこなう必要のある資料を検討した。さらに今後の資料調査カードの作成と充実を期するために、これまでの資料カードの改定を実施した。 三角縁神獣鏡の製作地同定に有効な鉛同位体比分析の準備としては、分析担当者と先行研究の現状認識を共有し、今後の調査計画に関連して山東省と江蘇省の鉱山情報を入手する準備をしている。 調査手続き上の準備として、現在の中国側との共同研究協定は2021年5月で失効するため、2021年度以後の調査には、中国国家文物局からの新たな許可が必要となる。したがって中国側共同研究機関と調整のうえ、関連書類の作成をおこなって新規の共同研究協定を申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に1回目(6名、10日間)の中国山東省での資料調査を予定していたが、新型コロナ禍の影響で果たすことができなかった。これまでの中国との共同研究協定が、2021年5月に終了するために2021年度から有効となる新規の共同研究協定を申請中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度上半期に、山東省および江蘇省の研究機関と共同研究協定を結ぶ予定である。2021年度は山東省もしくは江蘇省で2回(各10日間)の資料調査をおこなうつもりである。その後も、4年間で6回程度の現地資料調査を計画する。研究対象の銅鏡の写真撮影、3D計測、観察等をおこない、三角縁神獣鏡の製作技術との比較検討をおこなう。当該地域の鉱物、資料サンプルを採取し、鉛同位体比測定を実施する。これらの研究成果を総合し、三角縁神獣鏡の製作地問題を解決する資料を探る。
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Causes of Carryover |
2020年度に計画していた中国での資料調査が、新型コロナ問題で実施不可能となった。あわせて調査で入手するはずの各種データを処理する予定であったが、これも実現できなかった。 2021年度は、これらの現地調査と各種データの処理をおこなう予定である。
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Research Products
(2 results)