2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing a new control measure of malaria by adjusting host nutrition
Project/Area Number |
20KK0180
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嘉糠 洋陸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青沼 宏佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60451457)
齊木 選射 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70738971)
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Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / 熱帯熱マラリア / 栄養 / アミノ酸 / 赤血球 / イソロイシン |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯熱マラリアの発症は、マラリア原虫が感染した赤血球の破裂に端を発する。感染の進行に伴い感染赤血球数が増加し、適切な治療が施されない場合、重症貧血や多臓器不全、昏睡など重篤な症状を引き起こす。我々は、これまでの研究から、イソロイシンを欠いた飼料の給餌により、原虫の増殖が顕著に低下することを明らかにしている。マラリアの増殖率は産生する娘細胞(メロゾイト)の数に強く影響されることから、血中のイソロイシン量がマラリア原虫のメロゾイト産生数へ与える影響をin vitro/in vivoにおいて検証した。 イソロイシン含量を調整した飼料をBALB/cマウスに給餌したところ、イソロイシンの量依存的にげっ歯類マラリア原虫(P. berghei ANKA)の増殖が抑制された。イソロイシンを減少させた環境において熱帯熱マラリア原虫(P. falciparum)を培養したところ、感染赤血球1個あたりのメロゾイト数が減少することが明らかになった。マラリア原虫がヒトへの感染を確立した数万年前から近年まで、宿主であるヒトが低栄養であった事実と併せると、これら結果から、宿主のアミノ酸飽和によるメロゾイト産生数の増加がマラリア増悪の一因である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マラリア原虫は、グルコース欠乏状態の宿主において、血中グルコース量を感知しメロゾイトの数を調節することや、イソロイシン欠乏環境中において自身の代謝動態を低下させて栄養不足を乗り切ることが報告されている。当該年度の研究により、イソロイシン欠乏環境において、マラリア原虫のメロゾイト産生数が減少することを見出した。イソロイシンや他のアミノ酸と原虫の増殖との多変量解析や、別系統のマウスにおける解析もなされており、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
マラリア流行地域におけるアミノ酸関連の患者栄養状態とマラリア重症度との関係について検証を実施することにより、新規のマラリア原虫-宿主相互作用の解明を試みる。赤血球の形態と重症マラリアについての解析、食習慣とマラリア重症度との関係についての解析、マラリアの流行と栄養状態との関係についての解析の各々について、研究計画通りに推進する。
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Causes of Carryover |
(理由)アミノ酸による脳マラリア発症制御とそのメカニズムに関する研究が予想以上に進展し、それを主に据える研究計画細目を重点的に実施した。その結果、研究計画の実施順序を一部変更し、物品費(消耗品)および人件費の大部分を使用する他の研究計画細目を次年度以降に実施することにしたため。 (使用計画)物品費(消耗品)および人件費を活用し、赤血球の形態と重症マラリア、食習慣とマラリア重症度との関係、マラリアの流行と栄養状態との関係等の解析を実施する。
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Research Products
(3 results)