2023 Fiscal Year Research-status Report
新興感染症パンデミック予防に向けたタイ国における未知病原体の潜在的蔓延状況調査
Project/Area Number |
20KK0199
|
Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
大道寺 智 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (80432433)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 敬介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50790713)
村越 ふみ 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20759906)
萩原 克郎 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (50295896)
|
Project Period (FY) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
Keywords | 新興感染症 / 国際感染症 / 病原体検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、タイ山間部において蔓延している病原体をヒト、野生動物、媒介節足動物から網羅的に同定することで、今後流行を起こす可能性がある未知病原体を検出することである。国際研究グループ(タイ)との連携により実施する。 本年度は北海道内の各地においてダニの採集を行い、ウイルス検出を試みた。今回採集できたダニはオオオトゲチマダニが主であった。また採集されたダニについては各ステージ(幼ダニ、若ダニ、成ダニ)のものが得られた。複数地域で採集したダニをそれぞれプールしホモジナイズした後にRNA抽出を行い、これまでに構築したフラビウイルス属を検出するユニバーサルプライマーを用いてPCRを実施した。今までに実施した結果では、これらのダニからはフラビウイルスは検出されなかった。一方で同様にダニ抽出DNAサンプルを用い、紅斑熱群を検出可能なユニバーサルプライマーを用いて、PCR法にてリケッチア類の検出を試みたが同様に検出されなかった。また同じく抽出DNAを鋳型にピロプラズマ原虫の検出を試みたところ、一部のダニサンプルより、タイレリア原虫を検出した。現在遺伝子配列を確認中である。 さらにダニを採集した牧野で飼育されていたウシの血液を用い核酸抽出を行った。現在これらのサンプルよりダニ同様に病原微生物の検出を試みている。 一方では、上記実験を推し進める傍らでタイ研究者と今後の研究の進め方について繰り返し協議し、情報交換を行った。サンプル処理や解析法について、タイ研究者と協議の上、現在必要な作業を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行状況は緩和し海外渡航もしやすくなったものの、最終年度が研究代表者の異動時期と重なり研究推進の時間確保が困難であったことが主たる理由である。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度が研究代表者の異動時期と重なり研究推進の時間確保が困難であったために、当該研究計画の1年間延長をした。1年間のうちに、これまでできなかった部分を進めたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
(理由) 最終年度が研究代表者の異動時期と重なり研究推進の時間確保が困難であったため。 (使用計画) 新型コロナウイルスの流行状況は緩和し海外渡航もしやすくなったこともあり、海外への渡航回数を増やすことを想定している。また、上記理由により最終年度、進められなかった部分を進めることを想定している。
|
Research Products
(7 results)