2024 Fiscal Year Annual Research Report
Rigorous construction of linear response theory for many-fermion systems interacting with environment and its applications
| Project/Area Number |
20KK0304
|
| Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮尾 忠宏 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20554421)
|
| Project Period (FY) |
2022 – 2024
|
| Keywords | 線形応答理論 / 整数量子ホール効果 / トポロジカル相 / 短距離エンタングルメント / 作用素環 / 断熱定理 / 無限フェルミオン系 / ギャップ系 |
| Outline of Annual Research Achievements |
チュービンゲン大学のTeufel教授および同大学博士課程のWessle氏とともに、スペクトルギャップをもつ無限フェルミオン系における線形応答理論の厳密解析を行った。その応用として、整数量子ホール効果の詳細な解析を実施した。本研究の特色は、従来の厳密解析では困難とされていた電場と電子の相互作用を明示的に取り入れており、実験的状況に即した理論的記述が可能である点にある。一方で、このような系を厳密に取り扱うには高度な数学的手法が必要であり、その確立には予想以上の時間と工夫を要した。得られた成果は論文としてまとめ、現在、当該分野のトップジャーナルに投稿中である。また、本論文から派生した新たな問題についても、現在、共同研究を継続中である。 Wessle氏は2024年10月から3か月間、北海道大学数学科に滞在し、本研究に関連した共同研究を実施した。また、九州大学の数理物理グループへの短期派遣を通じて、国内研究者との学術交流も行った。Teufel教授は2024年11月に1週間北海道大学に滞在し、その後、筆者が主催した京都大学での研究集会において講演を行った。滞在中には、国内の同分野研究者との交流も積極的に行っていただいた。 筆者自身も2024年7月に1週間チュービンゲン大学を訪問し、対面での研究打合せを行った。 以上のように、研究期間全体を通じて、スペクトルギャップを持つ無限フェルミオン系に対する線形応答理論の厳密解析において重要な進展を得るとともに、チュービンゲン大学数理物理グループとの研究交流を深めた。今後は、トポロジカル相および金属強磁性の厳密解析を主題とする新たな共同研究プロジェクトへと発展させていく予定である。
|