2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21000005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅 裕明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00361668)
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Keywords | 天然物有機化学 / 生理活性物質 / 生体高分子 / 生合成 / ケミカルバイオロジー |
Research Abstract |
1 両親媒性環状特殊ペプチドの合成技術開発 本研究では、側鎖にファルネシル酸誘導体リンカーで修飾したD-システィンを用いて翻訳合成を達成できることが判明した一方で、そのテストペプチドを化学合成する際に収量が低い等の問題が生しることが判明した。また、それに代わる架橋基として、ビフェニル型化合物を合成したが、翻訳での導入効率が十分高くなく、ライブラリー構築には今のところ至っていない。ライブラリー構築に資するだけの化合物のデザインを継続している。 2 リボソームによる炭素・炭素結合形成技術開発によるポリケチド骨格含有特殊ペプチドの合成 本研究は、これまで様々なトライをしてきたが、炭素上によりアニオンを産生しやすい官能基を導入するなど検討を加えたが、残念ながらあまり良好な結果が得られていない。 上記二つの目標に関しては、ハイリスク・ハイリターン研究であるため、これまで大きな成果は生まれていない。一方で、下記の研究目標に関しては、期待通り、あるいはそれ以上の進展がみられている。 3 本研究は、昨年度に基盤技術として完成され、現在では大環状Nメチルペプチドライブラリー、弾頭側鎖をもつ大環状特殊ペプチドライブラリーの構築に成功し、in vitroディスプレイと組み合わせることに成功した。この技術は、RaPIDディスプレイと名付けられ、現在は研究室内でルーティン化された。 4 本研究において、昨年度は子宮頸癌に関わるE6APに対するNメチルペプチドの探索に成功、また脱アセチル化酵素であるSirt2に対しては弾頭側鎖をもつ大環状特殊ペプチドの探索に成功、さらに生物リズム制御を担う蛋白質因子BMAL1、癌の様々なプロセスに重要な役割を担っているキナーゼファミリーであるAKTに対する結合ペプチドの探索にも成功し、それらの活性評価を行った。
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Research Products
(28 results)